上川外相「中南米外交イニシアティブ」を発表 連携強化の指針

上川外務大臣は訪問先のパナマで、中南米諸国と連携を強化するための外交指針「中南米外交イニシアティブ」を発表し、経済に加え海洋政策やジェンダーなどの分野でも協力を深めていく考えを示しました。

上川外務大臣は、ブラジルで開かれたG20=主要20か国の外相会合に出席したあと、中米のパナマを訪れ記者会見を行いました。

この中で上川大臣は、ことしブラジルがG20の議長国で、南米のペルーがAPEC=アジア太平洋経済協力会議の議長国ということを踏まえ、連携を強化するための外交指針「中南米外交イニシアティブ」を発表しました。

それによりますと、中南米は銅やリチウムなど重要鉱物の産出国が多く、経済安全保障上欠かすことのできないパートナーだとして、サプライチェーンの強じん化や、スタートアップ企業の支援など、経済面での関係強化に引き続き取り組むとしています。

さらに、法の支配に基づく海洋政策や、紛争の予防に女性の参画が重要だとする「WPS」の考え方を広めるために、ジェンダーなどの分野でも協力を深めていくとしています。

上川大臣は「ことしは中南米諸国とじっくり対話を重ね、将来に向けてこのイニシアティブを育て具体化していきたい」と述べました。