“ナワリヌイ氏の秘密裏埋葬同意を”当局側が母親に最後通告か

ロシアのプーチン政権への批判を続け、刑務所で死亡した反体制派の指導者ナワリヌイ氏をめぐり、捜査当局側がナワリヌイ氏の母親に対して秘密裏に埋葬することに同意するよう最後通告を突きつけてきたと支援団体が明らかにしました。当局側が強硬姿勢を一段と強めているものとみられます。

今月16日に刑務所での死亡が発表された反体制派の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏について、ナワリヌイ氏の母リュドミラさんは22日、当局が遺体の引き渡しを拒否したうえで秘密裏に埋葬することに同意するよう脅迫してきたと明らかにしました。

その後、ナワリヌイ氏の支援団体の広報官は23日、当局側からリュドミラさんに電話があり、「3時間以内に秘密裏の埋葬に同意するか、同意しなければ、刑務所の敷地内に埋葬する」という最後通告を突きつけてきたとSNSに投稿しました。

リュドミラさんはこれに応じず、あくまで遺体を引き渡すよう求めたということで支援団体は「恥ずべきことだ」と強く非難しています。

ナワリヌイ氏の死亡をめぐってはプーチン政権が関与したのではないかという疑惑が指摘されていて、欧米各国からの非難が高まっていますが当局側は遺体の引き渡しを拒否し続け強硬姿勢を強めているものとみられます。

ナワリヌイ氏の妻「すべてはプーチンの指示」

ロシアのプーチン政権への批判を続け、刑務所で死亡したナワリヌイ氏の妻、ユリアさんは24日新たな動画のメッセージをSNSで公開しました。

この中で「夫が亡くなってきょうで9日目となる。しかしプーチンは彼を殺すだけでは十分ではなかった。遺体を人質に取り、母親をいじめ、秘密の埋葬に同意するよう強要している」と非難しました。

そのうえで「私は当局の捜査官がこのようなことを思いついたわけではないとよくわかっている。すべてを指示しているのはプーチンだ」と述べ、プーチン大統領の指示によってナワリヌイ氏の死因などが隠蔽されようとしていると指摘し遺体を引き渡すように繰り返し、強く訴えました。

ユリアさんは、2月22日には娘のダーシャさんとともにアメリカを訪問してバイデン大統領とも面会していて、ナワリヌイ氏に代わってプーチン政権を批判する運動を続けていく考えを示しています。