【詳細】ウクライナへの軍事侵攻から2年 各地の動きは

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて24日で2年となります。軍事力を増強し攻勢を強めるロシア軍に対して、ウクライナ軍は、欧米の支援が停滞するなどして反転攻勢が思うように進まず、ウクライナにとって厳しい局面が続くとみられます。

戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

目次

軍事侵攻2年 これまでの概要は

●ロシアは、おととし2月24日、ウクライナへの軍事侵攻を始めました。
●ロシア軍は、東部や南部などでウクライナ軍と激しい攻防を続け、一時掌握した領土を奪還されるなど、劣勢に追い込まれることもありました。しかし契約軍人などで兵力を増強するとともに、国産の兵器のみならず北朝鮮やイランなどから購入したミサイルや無人機、大量の弾薬も使いながら攻勢を強めて一部で主導権を取り戻し、今月ウクライナ側の拠点、東部アウディーイウカの掌握を発表しました。
●一方、ウクライナ軍は去年6月、東部や南部で反転攻勢を開始しましたが、ロシア側が築いた強固な防衛線の前に進軍を阻まれたほか、砲弾など欧米の軍事支援が停滞するなどして作戦は思うように進んでいません。このためゼレンスキー大統領は、欧米各国に対して支援の継続を強く求めるとともに、軍の総司令官を交代させるなど、立て直しを図っています。
●ウクライナ軍は、ロシア軍を撤退に追い込み勝利するまで徹底抗戦する構えですが、武器だけでなく兵員の不足も深刻とされ、ウクライナにとって厳しい局面が続くとみられます。

=随時更新中=

ゼレンスキー大統領「ロシアの狂気はこの国を支配できない」

侵攻から2年にあわせてゼレンスキー大統領は、ウクライナを訪れたイタリアのメローニ首相やEU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長などとともに、首都キーウ近郊のホストメリにある空港で国民向けに演説を行いました。

この空港は侵攻当初に一時、ロシア軍に占拠され、ウクライナ側が奪還した場所で、ゼレンスキー大統領は冒頭「きょう、私たちは象徴的な場所にいる。ここはプーチン大統領が最初の敗北を味わった場所だ」と述べました。

そして「ウクライナは独立を諦めたことはない。世界は過ちを犯すことなくウクライナを支援している。私たちの友人、パートナー、そして世界に感謝したい」と述べました。

その上でゼレンスキー大統領は「ロシアの狂気はこの国を支配することはできない。ロシアの侵略者を倒しているすべての兵士を誇りに思っている」と強調し「プーチンはここホストメリのように、あらゆる点において敗北しなければならない。それこそが平和を達成する唯一の手段だ」と訴えました。

ゼレンスキー大統領 米議員団に支援継続を訴え

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、西部リビウでアメリカの民主党の議会上院トップ、シューマー院内総務などの議員団と会談しました。

ゼレンスキー大統領は会談後、ビデオ演説でアメリカの軍事支援について「国家の防衛のために不可欠だ」として、死活的に重要となっているという認識を示しました。

会談後、シューマー院内総務が記者団に明らかにしたところによりますと、ゼレンスキー大統領は、軍事支援がなければウクライナはこの戦争に負けるとして危機感を示したということです。

アメリカでは、与野党の対立から新規の軍事支援が停止していて、ウクライナへの支援を含む総額950億ドル余り、日本円にして14兆円以上に上る緊急予算案の承認の見通しが立たないままでゼレンスキー大統領としては改めて支援の継続を訴えたものです。

一方、ロシア国防省は24日、ショイグ国防相がウクライナの前線の部隊を視察し、今月掌握したと発表したウクライナ側の拠点、東部アウディーイウカでの戦闘について報告を受けたと明らかにし、改めて戦果を強調しました。

首都キーウの朝 市民が亡くなった人たちを悼む

ロシアによる軍事侵攻から2年となった24日、ウクライナの首都キーウでは、朝から亡くなった人たちを悼む市民の姿が見られました。

このうち、亡くなった兵士などの写真が壁に掲げられている修道院を訪れていた40代の兵士の男性は「女性や子どもを含む多くの罪のない人が犠牲になりました。プーチンは悪です」と話していました。

30代の女性は「すべてのウクライナの人は誰かを亡くしています。これは悲劇です。世界が団結し、悪に打ち勝つことを願っています」と話していました。

また、犠牲になった友人を追悼するため、市の中心部の広場に家族で訪れた30代の女性は「私のきょうだいはいまも戦地にいます。すべての人が家に戻り、平和が訪れてほしいです」と話していました。

英国防省「ロシア軍 消耗戦の戦略可能に」

イギリス国防省は、24日に発表した戦況分析で、これまでのロシア軍の損失について死傷者がおよそ35万人にのぼる可能性があると指摘した上で、戦車2700両以上、歩兵戦闘車など5000両を失ったことが確認されているとしています。侵攻当初にロシア軍が兵員10万人以上、戦車1300両などを投入したことを踏まえると多くの分野で当初の戦力を上回る損害だとしています。

ただ「動員などに加えて兵器の製造、備蓄兵器の改修などにより、失った分は補充された」としています。

その上でイギリス国防省はロシア軍の状況について「現在は、前線で攻勢を維持し、ウクライナ軍に対し消耗戦の戦略をとることが可能になっている」としてロシア軍は兵力の増強を進め、侵攻のいっそうの長期化に耐えうる態勢を作ったと指摘しています。

イタリア メローニ首相などキーウへ到着 G7首脳会議へ

ロシアによるウクライナの軍事侵攻から2年となるのに合わせて24日、G7=主要7か国のことしの議長国を務めるイタリアのメローニ首相などがウクライナの首都キーウに到着しました。

ロイター通信などによりますと、ウクライナを訪れたのはイタリアのメローニ首相や、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長、それにカナダのトルドー首相とベルギーのデクロー首相です。

首脳たちはこのあとオンラインで開かれる予定のG7首脳会議に、キーウでウクライナのゼレンスキー大統領とともに対面で参加し、連帯を示すものとみられます。

フォンデアライエン委員長は、SNSに「ウクライナが最終的に自由になるまでわれわれはこれまで以上にウクライナのそばにしっかりと立っている」と投稿しました。

ウクライナ “和平案” 新興国などから理解得られるか

ウクライナは、ロシア軍の撤退や領土の回復など10項目からなる和平案「平和の公式」を提唱し、各国にも賛同してもらいたいと去年6月以降、欧米や新興国などの政府高官を集めた協議を4回開催してきました。

ゼレンスキー大統領は、1月15日、スイスのアムヘルト大統領とともに記者会見を行い、和平案をより実効性のあるものにするため、これまでの協議を首脳級が参加する形式に格上げしスイスで開催すると発表しました。

ただ、外交筋によりますと、ウクライナは、当初この首脳級協議をロシアによる軍事侵攻から2年となる24日にあわせて行いたい方針でしたが断念し、4月以降に先送りすることがわかりました。

ロシアとの関係も重視する国々から和平案への賛同が得られる見通しが立たなかったことなどが背景にあるとしています。

和平案をめぐっては、去年12月の非公式協議で中東やアジアの国々などからウクライナに対しロシアとの停戦にできるだけ早く応じるよう説得する発言が相次ぎました。

ウクライナとしては、欧米だけでなくグローバル・サウスと呼ばれる新興国などからも和平案に対する理解を得たうえでウクライナに有利な形で戦争を終結させたい考えです。

ただ、エネルギーなど、経済分野でロシアと強く結び付いている国々も多い中で、関係国が一致して戦争の終結に向けた道筋を見いだすことができない状況となっています。

東京 渋谷でウクライナ人などが集会 軍事侵攻に抗議

ロシアによる軍事侵攻から2年になるのにあわせ、日本に住んでいるウクライナ人などが東京 渋谷で集会を開き、軍事侵攻に抗議するとともにウクライナへの継続的な支援を訴えました。

24日午後、JR渋谷駅前で開かれた集会には避難してきた人も含め日本に住んでいるウクライナ人や支援者など、100人余りが参加しました。

参加者はウクライナの国旗や「ロシアを止めろ」などと書かれたプラカードをかかげ、2年となるロシアの軍事侵攻に抗議しました。

そして、いまも多くの民間人が犠牲になっているウクライナの現状を忘れないでほしいなどとスピーチで呼びかけていました。

集会では最後にウクライナ国歌を斉唱し、人々は「ウクライナに自由を」などと声を上げ、継続的な支援を訴えました。

参加したウクライナ人の女性は「キーウでは防空警報が毎日何度も鳴っていて、ミサイル攻撃があることが当たり前になってしまっている。戦争が今も続いているということを忘れないでほしい」と話していました。

また、おととし4月から2人の子どもと日本に避難している女性は「家族がウクライナにいるのでとても心配です。まさかこんなに避難生活が長引くとは思っていませんでした。日本での生活は安全ですが、子どもたちの教育や将来のことを考えるととても不安です」と話していました。

東京 港区でも集会 「侵攻の早期終結を」

東京 港区でも侵攻の早期終結を訴える集会が開かれました。

この集会は市民グループが開き、主催者側の発表でおよそ500人が参加しました。

集会ではウクライナの民族楽器「バンドゥーラ」の演奏家として日本で活動しているウクライナ出身のカテリーナさんが、母国をテーマにした楽曲などを披露しました。

カテリーナさんは「私たちウクライナ人にとってこの2年間はずっと止まっている状況で、たくさんの友達や知り合いが犠牲になりました。世界もだんだん疲れてきていると思いますが、ウクライナは自分の国のためだけでなく世界のため、そしてどの国でも戦争を起こさせないために戦っています」と訴えたあと、平和や自由への願いを込めて「翼をください」を日本語でうたい上げました。

集会のあと参加者たちはプラカードやウクライナの国旗などを掲げながらデモ行進し、「ウクライナに平和を」とか「すべての戦争に反対」などと訴えました。

参加した20代の看護師の男性は「医療に携わる身として子どもや市民が亡くなっていく状況を聞くのは受け入れがたく、日本もいつか同じ状況になるのではないかという不安も感じています。とにかく今は平和的に解決することを願っています」と話していました。

日本に避難のウクライナの人たちを支援するコンサート

東京 港区では日本に避難しているウクライナの人たちを支援するコンサートイベントも開かれ、子どもたちなどが感謝の気持ちを伝えました。

イベントはウクライナの避難者を支援している「日本ウクライナ友好協会」が開き、はじめに、現地の状況や日本に避難している人たちの現状を報告しました。

そのあと、子どもたちがウクライナ語と日本語を交えながら感謝や平和の希望を込めた歌を披露し、会場に詰めかけたおよそ50人から大きな拍手を送られていました。

また、会場には、避難者が都内で撮影した写真も展示され、訪れた人たちが見入っていました。

訪れた40代の女性は「私たちは日本で平和に暮らせますが、日本に避難している人たちは胸を痛めているので、行動していこうと思います。これからも関心を持ち続けていきたいです」と話していました。

主催した協会のコヴァリョヴァ・ナタリヤ理事長は「日本に避難してきたウクライナの人たちへのサポートに感謝しています。ただ、ことばの壁などサポートが必要で、これからもウクライナに関心を持ち続けてほしいです」と訴えていました。

大阪で平和を願う催し キャンドル型のライト並べ黙とう

大阪では平和を願う催しが開かれ、ウクライナから避難してきた人たちや市民がキャンドル型のライト、およそ1000個を並べて黙とうをささげました。

この催しはウクライナを支援する大阪の団体などが開いたもので、会場となった大阪 北区の広場には、ウクライナから避難してきた人や市民などおよそ200人が集まりました。

参加者たちははじめにカーネーションを次々に手向け、軍事侵攻で犠牲になった多くの人たちを悼みました。

このあと、キャンドル型のLEDライトおよそ1000個を英語で平和を意味する「PEACE」の形に並べ、全員で黙とうをささげてウクライナと世界の平和を願っていました。

また、会場ではウクライナの手作りの刺しゅうの販売や募金活動も行われました。

ウクライナからおととし避難し、大阪でデザイナーの仕事をしているナタリア・ゴロドーさんは、「日本は安全できれいな街なので大好きになりました。ただ、ウクライナに残っている家族もいるので、平和が早く戻ってきてほしいです」と話していました。

催しを主催した団体の高見信彦さんは「軍事侵攻から2年がたち支援疲れも出てきているが、これからも生活や就労・就学の支援などを続け、ウクライナの人たちに寄り添っていきたい」と話していました。

ウクライナ 一般市民が装備品提供など軍を支援する動き

ウクライナでは、欧米の軍事支援が停滞する中、一般の市民が軍を支援する動きが広がっています。

このうち、キーウ州内にある工場では、軍事侵攻が始まる前までは、公共交通機関や救急車などに使われる座席を作っていましたが、現在は、小型の車両や防弾チョッキなど前線の兵士向けの装備品を作り軍に無償で提供しています。

特に戦地で重宝されているのが、ぬかるんだ地面や傾斜でも走ることができる自動車で、戦闘に使うことはできないものの、けがをした兵士を運ぶためなどの用途でこれまでに30台以上が実際に戦地で使用されているということです。

ただ、この工場ではもともと70人ほどの従業員が在籍していましたが、徴兵などの影響で現在はおよそ20人しか働いていません。

従業員はほとんど休みもとらずに作業にあたっているということですが、生産できる車両の数は限られているほか、資金不足も課題だということです。

工場の担当者は「すぐにでもほしいという問い合わせが少なくとも10件入っているが生産する資金が足りず、要望には応えられていない」と話していました。

こうした工場を支援しているのが、現地のNPOです。

このNPOでは、前線の兵士たちから需要を聴き取ったうえで、必要な物資を製造できる民間の工場や企業に対して資金を援助しています。

資金は、海外などから集まった寄付金などでまかなっているということです。

団体の共同代表を務めるアナトリー・アクロブさんは「前線の兵士たちを支援するため毎週のように新しい民間企業が参画している。私たちとしてもさらに広い分野で軍を支援できるよう信頼できるパートナーを探している」と話していました。

そのうえで「海外からの支援の量は劇的に減っている。民間が軍事的な支援に加わることは残念ながらウクライナがこの戦争に勝つことには不可欠だ」と話し、欧米の軍事支援が停滞する中、こうした取り組みをさらに拡大していく必要があると強調していました。

軍事アナリスト「ロシア軍は軍事力を立て直した」

ポーランドを拠点に戦況の分析を続ける軍事アナリスト、コンラッド・ムジカ氏がNHKのインタビューに応じました。

この中でムジカ氏は「ロシア軍は、侵攻当初の損失を補い、軍事力を立て直した」と述べ、ロシアにとって、おととし9月に始めた予備役の動員の成果がようやくあらわれているという見方を示しました。

そして「ロシアは計画に時間がかかってもいったん決めれば、そのとおりに装備品などを大量生産できる」と述べ、戦時体制下のロシアは、軍事装備品の製造を急ピッチで進めているとした上で「なんとか戦場での主導権を再び握ることができた」という見通しを示しました。

一方、ウクライナについてムジカ氏は「ことしはウクライナにとって極めて重要な年だ。なぜならロシアとの戦力の差が戦争が始まって以来最も大きくなるからだ」と述べました。

そのうえで「兵員と弾薬それに兵士の訓練が必要だ」と述べ、大規模な動員の必要性などを強調し、欧米各国による軍事支援に関しては「兵器の品質はすぐれているが問題は量だ。ウクライナの要求に応えられる量がない」と述べ兵器や弾薬の増産を急ぐことが必要だと指摘しました。

ウクライナ軍が今後反転攻勢に再び出る可能性があるかについてムジカ氏は「ことしは確実に無理だ。ウクライナ軍が目指すのは『積極的防御』という前線での限定的な反撃と、PR効果の大きいロシア国内やクリミア半島への長距離無人機の攻撃だ」と述べました。

そして「大規模な動員もせず戦車などの戦力の支援もなければ、向こう2年あるいはそれ以上大規模な反転攻勢の実施は難しい」と述べ、ウクライナは、動員を進めるとともに、まとまった量の軍事支援を受け続けないかぎり、戦況を好転させることは難しいという見方を示しました。

専門家「ロシア 歯止めがかからない状況」収束の兆し見えず

ロシアの安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の長谷川雄之研究員は、去年6月からのウクライナ軍の反転攻勢について「ロシア側が築いた防御線が非常に強固で、反転攻勢はアメリカやヨーロッパが思ったようには進んでいない」と分析しています。

そのうえで、ウクライナ軍が東部ドネツク州のアウディーイウカからの撤退を表明したことについて「ロシア側が人のリソースと火力を使って長期戦に持ち込んだことが大きい。ウクライナにとっては相当な痛手だ」と述べ、ウクライナとしてはこれ以上兵力を失わないよう撤退先で強固な防御ラインを築くねらいがあると指摘しています。

そして、欧米からの支援が先細りしつつある中、ウクライナは兵員と弾薬が不足しているとして「ウクライナ側はアメリカとヨーロッパの支援にかなり依存している。西側諸国からの兵器や弾薬などが必要だ」と強調しました。

また、プーチン大統領が来月の大統領選挙を前に戦果をあげようと攻勢を強める可能性があるという見方を示したうえで「ロシアは占領地域全体に部隊を展開し、ウクライナ側にはかなり厳しい局面になってくる。ウクライナとしては防衛線をしっかりと築くことが重要だ」と述べ、ウクライナ軍が各地の拠点を守れるかどうかが焦点だという認識を示しました。

一方、軍事侵攻が終結する見通しについて、長谷川研究員は「ロシア軍は局所的にも戦況で有利になり、歯止めがかからない状況だ。仮に、ロシアが一方的に併合を宣言している東部の4州をすべて掌握したとしても、戦争が終わるかどうかは非常に難しい」と述べ、すぐに戦闘が収束する兆しは見えないと指摘しました。

その上で今後の停戦交渉の可能性について「停戦交渉は、ロシア、ウクライナに加え、ウクライナの最大の支援国のアメリカの内政がそれぞれ安定していないと進まない。大きな交渉があるとすれば、アメリカ大統領選挙のあとだ」と述べ、少なくともアメリカ大統領選挙が行われることしの11月までは戦闘が続くという見通しを示しました。

国連「ウクライナ 国外避難者640万人余りに」

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、今月15日の時点でウクライナ国外に避難している人の数は640万人余りで、このうち、およそ600万人がヨーロッパへ逃れているということです。

また、ウクライナ国内で避難している人の数は去年末の時点で、360万人余りとなっていて、侵攻から2年がたつ中、ウクライナの国内外で、人口の4分の1ほどにあたるおよそ1000万の人が今も家を追われています。

国連「ウクライナで少なくとも1万人以上の市民が犠牲に」

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから2年となるなか、国連人権高等弁務官事務所は、ウクライナでは、1万人以上の市民が犠牲になったとしています。

それによりますと、軍事侵攻が始まったおととし2月24日から2月15日までに、ウクライナでは、少なくとも1万582人の市民が空爆や砲撃などによって死亡したとしています。

このうち587人は18歳未満の子どもだということです。

また、けがをした人は少なくとも1万9875人に上るとしています。

ただ、激しい戦闘が行われている地域では、正確な被害の実態は把握できていないとしていて、実際の死傷者はさらに上回るとしています。

さらに、国際人道法などに違反していると指摘される医療機関への攻撃も相次ぎ、これまでに59の施設が破壊され、406の施設が損傷したとしています。

このほか、教育関連施設も236の施設が破壊され、836の施設が損傷する被害を受けているということです。

NATO事務総長「ウクライナとともにある」

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて2年になるのに合わせ、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は24日、動画の声明を発表しました。このなかでストルテンベルグ事務総長はウクライナにとって戦況はきわめて厳しいとの認識を示しながらも「われわれは気を落としてはならない。ウクライナはこれまで何度も戦闘技術にすぐれ、強い戦意を維持していることを示してきた」と述べました。

そして「プーチン大統領はNATOの拡大を止め、みずからの進路を選ぶウクライナの権利を否定するためにこの戦争を始めたが、彼がなしえたのはその逆だ。ウクライナは将来、NATOに加盟する。その日に備え、ウクライナとわれわれ自身の安全のためにNATOはこれからもウクライナとともにある」と述べ、今後も加盟国による兵器の供与などで支援を続けていく考えを強調しました。

仏 マクロン大統領「支持揺らぐことない」ウクライナ支援強調

フランスのマクロン大統領は、SNSに、ウクライナの国旗を掲げた女の子が戦車を踏みつける様子を描いたイラストとともに「打ちのめされ、傷ついても、ウクライナは立ち続けている。ウクライナは、みずからのため、理想のため、そしてヨーロッパのために戦っている。われわれの支持が揺らぐことはない」と投稿し、ウクライナ支援を継続する姿勢を強調しました。

国連安保理 欧米とロシア 再び非難の応酬

23日に開かれた安保理の閣僚級の会合では、はじめに国連のグテーレス事務総長が「国連憲章と国際法は戦争のない世界を作る指針だが、ロシアによるウクライナへの侵攻はその両方を侵害した。われわれは2年間戦い2年間苦しみ、国際関係は2年間緊張した。もう十分だ」と述べ、ウクライナの主権や領土の一体性を守る必要性を訴えました。

会合にはイギリスのキャメロン外相やフランスのセジュルネ外相、日本の辻外務副大臣が出席し、改めてロシアを非難しウクライナとの連帯を強調しました。

また、ウクライナのクレバ外相は「未来の世代がこの時代を振り返ったとき、なぜ1国が世界の平和と安全を打ち砕いているのに国際社会は行動しなかったのかと疑問に思うだろう。平和を望むのであれば防空システムや弾薬を供与してほしい」と述べ、各国に継続的な支援を求めました。

これに対してロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナ東部のロシア系住民を守るための軍事作戦だという従来の主張を繰り返し、ウクライナと欧米各国を非難しました。

一方、アフリカの理事国からは、この2年間に世界の途上国が食料価格の高騰などの影響を受けてきたとして、ロシアとウクライナの双方に前提条件なしで速やかに交渉に臨むよう求める意見も出され、軍事侵攻が長期化する中、各国の立場の違いも改めて表面化しました。

イギリスでのウクライナ兵の訓練公開

イギリスなど12か国の軍はウクライナ支援の一環として、兵士をイギリス国内の訓練場に受け入れ戦闘や救護の方法などを教えています。

このうち、イギリス南部の訓練場で公開されたのは小隊の指揮官を養成する2か月半にわたる訓練で、ウクライナ軍の選抜を受けた兵士たちがロシア側に占拠された住宅を奪い返し、安全を確保する手順を確認していました。

ウクライナ軍は前線での兵力や弾薬の不足などが指摘されていますが、取材に応じた兵士たちはいずれも祖国防衛への揺るぎない決意を口にしました。

東部ルハンシク州のざんごうで戦ったという23歳の兵士は「敵をどうやって襲撃するかなどイギリスで多くの新しいことを学んだ。いまではもっと経験を積んでいる」と話していました。

また、28歳の兵士は「戦いは以前より激しさを増しているが、ロシア軍を追い出せると確信している。前線に戻ることを恐れてはいない」と話していました。

イギリス軍によりますと、この2年間で延べ3万4000人以上が訓練を終えたということで、指導役の指揮官は「訓練はこの2年間、継続的に進化してきた。彼らが戦況を動かせる、より強力で、生き延びられる兵士になることを目指している」と話していました。

ウクライナ“ロシアA50早期警戒機撃墜” 先月も同型機撃墜発表

ウクライナ空軍のオレシチュク司令官は23日、ロシア軍のA50早期警戒管制機を撃墜したとSNSで発表し、上空で何らかの物体が炎を上げる映像を投稿しました。

またウクライナ国防省の情報総局は、撃墜された航空機の航跡を示したと見られる地図などを発表し、それによりますとウクライナに近いロシア南部クラスノダール地方で速度表示がゼロになっています。

一方、ロシア国営のタス通信もクラスノダール地方の当局の情報として、「航空機1機が墜落した」と伝えています。ウクライナ国防省はA50は3億3000万ドル、日本円にしておよそ496億円相当だとしてロシア側の損害を強調しています。

ウクライナ空軍は先月中旬もA50を撃墜したと発表していて、このときイギリス国防省は、A50はロシアの偵察能力にとって非常に重要で、ロシアは、航空機の作戦区域を限定することを検討せざるを得なくなるだろうと分析していました。

ウクライナ空軍は、今月17日から21日までの5日間にスホイ34戦闘爆撃機やスホイ35戦闘機をあわせて7機撃墜したと発表し、ロシアの航空部隊に打撃を与えているとアピールしていました。

NHKが現地調査機関と共同実施 意識調査結果は

ロシアによる軍事侵攻が始まって2年となるなか、ウクライナの国民の68%が「領土を奪還するまで徹底抗戦を続けるべきだ」と答えた一方で、「和平交渉を始めるべきだ」と回答した人が24%と、1年前に比べて2倍に増えたことがNHKがウクライナの首都キーウを拠点に活動する調査機関「レーティング」と共同で実施した意識調査で明らかになりました。

調査は、今月9日から3日間、ロシアが占領している東部の一部の地域と南部クリミアを除くウクライナ各地の18歳以上の市民を対象に電話で行い、1000人から回答を得ました。
【戦争によって何を失ったか】
「戦争によって何を失ったか」を尋ね生活の変化について探ったところ「健康状態の悪化」が34%、家族や親類など「近しい人を失った」が29%、「収入が減った」が25%、「家族との離散」が25%、「仕事を失った」が19%などとなりました。「近しい人を失った」が去年から12ポイント増え、戦闘の長期化で身近な人が犠牲になるケースが増えていることがわかります。地域別では「仕事を失った」「家族との離散」と回答した人は戦闘が激しい東部と南部で多くなっています。
【心身への影響は】
心や体への影響については「心身の不調が大きくカウンセリングや医師の診察などを受けた」が去年から6ポイント増えて14%、「心身に不調があり日常生活に支障を感じることがある」が去年から3ポイント増えて37%で、日常生活に支障が出るような不調を感じていると回答した人が半数を超えました。
【戦況をどうみるか】
戦況をめぐって「勝利に近づいている」または「一歩一歩勝利に近づいている」と回答した人は、半数を超えて54%に上りました。一方、「停滞している」と回答した人は30%でした。「少しずつ後退している」か「後退している」とした人は12%で「停滞」または「後退」と回答した人はあわせて42%となりました。なかでも18歳から35歳までの若い世代では「停滞」または「後退」と回答した人の割合が53%にのぼり「勝利に近づいている」と回答した44%を上回っています。
【停滞・後退の理由は】
「停滞」または「後退」と回答した人に対してその理由を尋ねたところ、「ウクライナ政府の結束やリーダーシップの不足」と回答した人が42%と最も多く「欧米による兵器の支援不足」が30%、「国際社会によるロシアへの圧力不足や連携不足」が10%でした。
【「徹底抗戦」68%も「停戦し和平交渉」24%と去年比2倍に】
今後ウクライナ政府に何を期待するかについては、「クリミアを取り戻すなど旧ソビエトから独立した時点の状況になるまで戦闘を続ける」が55%、「軍事侵攻が始まる前のおととし2月23日の時点に戻るまで戦闘を続ける」が13%と、領土を奪還するまで徹底抗戦を続けるべきだと回答した人があわせて68%にのぼりました。一方で「停戦し和平交渉を始めるべきだ」と答えた人は24%と、1年前の12%から2倍に増えました。そう回答した人を年齢別に見ますと、51歳以上が去年から6ポイント増えて18%、36歳から50歳までが14ポイント増えて27%、18歳から35歳まででは20ポイント増えて31%となりました。国民の多くが徹底抗戦を続けるべきだと考えている一方で若い世代を中心に停戦を求める声も出ていることがわかります。
【日本の役割は】
日本がウクライナを支援するため国際社会で何ができるか尋ねたところ、「欧米からの軍事支援の強化を促進する」が27%、「復興支援」が26%、「ロシアへの制裁強化」が22%、「停戦交渉の仲介」が18%となりました。一方、日本がウクライナに対して行っている人道支援を知っているかについては「はじめて聞いた」が50%ともっとも多くなりました。ただ、「聞いたことがある」が去年から4ポイント増えて35%、「よく知っている」が去年から8ポイント増えて15%でいずれも去年から増加しました。

軍事侵攻2年 ウクライナの市民の声は

18歳の男性
「戦争が長期化するなかで、人々は疲れているし、恐怖も感じています。しかし、もし降参すれば、敵は、再び攻撃を仕掛けてくるでしょう。私は戦う準備ができているし、戦い続けるべきだと思います」
18歳の女性
「去年はまだ、戦争が終結し、私たちが勝利するだろうという明るい兆しがありました。しかしいま、私たちは、道のりがとても長いものであることに気付いています。もちろん誰もが戦争の終結を望んでいて、これまでに失ったものを考えれば、戦争は終わらせたほうがいいと思います。しかし、2年後、3年後にプーチンが攻めてこないという保証はどこにもありません」
「多くの友人が死に、多くの親族が戦地にいます。もし自分の父親や恋人が動員されたらと考えない日はありません。平和で静かな日が訪れることを願っています」
60歳の男性
「ウクライナの人たちも前線の兵士たちもみな疲弊しきっています。また欧米側からの支援も不足し、ウクライナは厳しい状況にあります。私は戦い続けるのではなく、交渉し、選択肢を探す必要があると思います。しかし、交渉だけではウクライナに未来はありません。欧米側のパートナーから将来に対する何らかの保証が必要です」

死亡したウクライナ軍兵士遺族「戦い続けるべき」

ロシア軍との戦闘で死亡したウクライナ軍の兵士の母親は、息子の死をむだにしないためにも戦いを続けるべきだと訴えています。

首都キーウに住むナタリア・イシチェンコさんは、おととし6月、ウクライナ東部で、軍の兵士としてロシアとの戦闘に参加していた一人息子のアスタムールさんを亡くしました。

アスタムールさんが生前、暮らしていた集合住宅の入り口には、住民たちの要望でアスタムールさんを追悼する銘板が飾られています。

銘板には、アスタムールさんの似顔絵も描かれ、ナタリアさんは毎日のように息子の似顔絵に声をかけているといいます。

ナタリアさんは「私たちに笑いかけていると思うこともあれば、なにかを批判しているように感じることもあります。家族としてのコミュニケーションを続けているんです」と話していました。

大切な息子を失った痛みは「世界が崩壊するほどつらいものだった」と話すナタリアさんですが、似顔絵との対話を続けるうちに、息子が生きていたら、悲しみに暮れるばかりの姿を望まないのではないかと考えるようになりました。

ナタリアさんは「亡くなった人をしのぶことで周りを憂うつにさせたり、やる気を失わせたりしてはならないのです」と話していました。

軍事侵攻開始から2年となるなか、ウクライナの市民の間では終結の兆しの見えない戦いに疲れを感じているという声が多く聞かれるようになりました。

ナタリアさんは、和平交渉を求める声に理解を示しつつも、息子の死をむだにしないために、そして、同じような悲しみを味わう人がこれ以上増えないためにも、戦いは続けなければならないと感じています。

ナタリアさんは「私自身もとても疲れています。しかし、この疲れをロシアがウクライナを占領しやすくなるきっかけにしてはなりません。絶望して立ち止まるのではなく戦い続けなければならないのです」と訴えていました。

《ロシアでは》

ロシアの世論調査 プーチン大統領の高い支持続く

ロシアのプーチン政権がウクライナへの軍事侵攻を始めてから2年となりますが、ロシアの世論調査では、侵攻を推し進めるプーチン大統領に対して高い支持が続いています。

ロシアの民間の世論調査機関「レバダセンター」が今月1日に発表した世論調査では、プーチン大統領の活動を「支持する」と答えた人が85%、「支持しない」は12%で、8割を超える高い支持が続いています。

また「ロシアが正しい道を進んでいる」と答えた人は71%で「間違った道を進んでいる」と答えた人の18%を大きく上回っています。

また今月6日に発表された調査では、ウクライナでのロシア軍の行動を支持する人は77%で、支持しない人の16%を大きく上回っています。

一方、「軍事行動を続けるべき」が40%なのに対し、「和平交渉を開始すべき」は52%となっていて、ロシアにおいて外交による解決を望む人が多いこともうかがえます。

首都モスクワでは市民からさまざまな声が聞かれ、このうち、教師だという男性は「現在行われている特別軍事作戦の目標は達成されなければならない。誰もが早く終わることを望んでいるが、あくまでそれは目標が達成された後だ」と話していました。

また数学者だという62歳の女性は「途中で諦めてしまったら犠牲は無意味になり、何も達成できなくなる。私自身も寄付するなどしてできるかぎりの協力はする。軍事作戦に対して人々の支持は拡大し、結束していると感じる」と話していました。

一方、別の女性は「すべてにうんざりしている。大統領選挙で多くの人々が戦争に反対するために列を作ったのに、候補者たちは立候補が認められなかったし、刑務所にいた人も、毒物を準備されたのか力を失ってしまい、もはや政権側も恐れていない。私は愛国心を持っていたが、今はこの国を恥じている」と話し、軍事侵攻に反対する勢力への政権側の圧力が一段と強化されているとして悲観的な見方を示しました。

「レバダセンター」は、プーチン政権から「外国のスパイ」を意味する「外国の代理人」に指定され、圧力を受けながらも、独自の世論調査活動や分析を続けています。

プーチン大統領の支持者は

ロシア南部のソチで観光会社に勤務するイワン・ミチャエフさん(64)もその1人で、プーチン大統領を支持し、ウクライナへの軍事侵攻にも賛同しています。

ミチャエフさんは、プーチン大統領について「強い指導者であり、誇りに思っている。ロシアに安定と発展をもたらした。誰もが偉大なるロシアの安定を必要としているからだ」と話し、国民に「生活の安定」を約束するプーチン大統領への信頼を支持の理由にあげました。

そのうえで、来月行われるロシアの大統領選挙でもプーチン氏に投票すると明言しました。

ウクライナへの軍事侵攻について、ミチャエフさんは、自身の母親がウクライナ出身だとしたうえで「ウクライナとロシア、双方に犠牲者が出ている。もちろん、終結するのなら、早ければ早いほどよい。しかし、私はロシア人なので最後までロシアを支持する。ロシアがこの戦争に負けることはないだろう」と話し、早期の停戦を望むとした一方で、軍事侵攻の遂行を支持する立場を示しました。

軍事侵攻に対する欧米側からの経済制裁の影響について、ミチャエフさんは「物価はある程度上がった。特にヨーロッパや日本製の自動車の部品の値段が上がっている」と話しました。

一方で「もちろん難しいこともあるが、生活することは可能だし、われわれはこうした困難に対処できる」と話し、影響は許容できる範囲で、生活に支障は出ていないと言います。

また「観光客もロシア人はいま海外に行くことがなくなったため、ソチへの国内観光客は増えていると感じる。個人的な意見だが、制裁によってむしろ国内の経済や発展にはいい影響を与えていると思う」と話し、ロシアでは制裁に対抗し、制裁下の経済状況に適応しようという動きが生まれているとする考えを示しました。

今後の見通し 専門家「おそらく4年目にもつれ込む」

今後の見通しについて、東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠准教授は「戦争はまだ長く続く。3年目ではどちらも決定打を得られず、4年目にもつれ込むことがおそらく確実だ」と述べ、さらに長期化するという考えを示しました。

現状の戦況について、小泉准教授は、ロシアが攻勢を強めている段階だとして「ウクライナ軍は当面、大規模な攻勢を行う能力がないのは明らかだ。去年の反転攻勢で相当戦力を消耗している。一方、ロシア側も大規模かつ調整された攻勢を行う能力がないだろう」という見方を示しました。

そのうえで「ロシア側が少しずつ支配地域を広げていくとしても戦局を一気に変えるような決定的な行動をとることが難しいだろう。いくつかの都市がロシア軍の制圧下に入ることがあるだろうが、それによってウクライナが戦争の継続をできなくなることはない」と述べました。

停戦の見通しについては「プーチン大統領からみると、戦場の現実は全く不満足。ウクライナが国家として組織的な抵抗をしなくなるところまで戦争をするとすれば、落としどころという考えが成立しないおそれが高い。一方、ウクライナ側は国家そのものが存続できるかどうかの瀬戸際で停戦に応じにくい。話し合いのためには軍事的に有利な状況を作るしかない」と述べ、現時点では双方が停戦に向けた交渉に乗り出すことが難しいという考えを示しました。

今後については、ウクライナの最大の支援国アメリカからの軍事支援の継続が鍵を握るとして「対ウクライナ支援がこの春までに通るのであれば、ウクライナは来年以降に再び反転攻勢に出て、ロシア側から土地を取り返し、停戦交渉に入って4年くらいで戦争を終わらせられるという望みがつながる」と指摘しています。

一方、アメリカからの追加支援が得られない場合には、ウクライナはEU=ヨーロッパ連合などからの支援に限られたなかで戦闘を続けることになるとして「不可能ではないが、想定よりも時間がかかり、その前にウクライナ人の抵抗の意思や周辺の国の支援の意思がついえる可能性がある」と述べアメリカの支援継続の行方が今後の焦点になるという考えを示しました。