バイデン政権 ロシアなどの500超の団体個人へ新たな制裁を発表

アメリカのバイデン政権はロシアによるウクライナ侵攻開始から2年になるのに合わせて、ロシアなどの500を超える団体や個人を対象にした侵攻後、最大規模の制裁を発表しました。

アメリカ国務省と財務省などは23日、ロシアによるウクライナ侵攻開始から今月24日で2年になるのに合わせて、ロシアなどの500を超える団体や個人に対する制裁を発表しました。

対象は、ロシアの金融やエネルギー、防衛産業の団体やその団体に関わる個人が中心で、侵攻後としては最大規模となります。

また、軍事的な協力関係にあるとしてイランの国防軍需省をロシア関連では初めて制裁の対象に含めたほか、ロシア経済を技術面で支えているとして、中国を拠点とするテクノロジー企業なども制裁の対象としています。

さらに、ロシアの反体制派の指導者ナワリヌイ氏の死亡に関与したとして、ナワリヌイ氏が収監されていた刑務所を管轄するロシア当局の幹部など3人も制裁の対象としています。

バイデン大統領は23日、ホワイトハウスで、「アメリカは外国への軍事侵攻や国内での弾圧の代償を払わせる」と述べてプーチン大統領を非難したうえで、「アメリカは自由のために立ち上がる。われわれがプーチンに屈することはない」と述べ、ウクライナを引き続き支援していく姿勢を強調しました。

EU ロシアへの追加制裁を発表

EU=ヨーロッパ連合は23日、ウクライナへの侵攻開始から2年になるのを前にロシアに対する追加の制裁を発表しました。

今回の制裁は無人機の分野でロシアの能力を制限することに重点が置かれ、無人機やミサイルなどを製造しているロシアの軍産複合体の企業やその関係者など194の個人と団体が新たにEU域内の資産凍結や渡航禁止の対象となりました。

このなかには北朝鮮からロシアへの弾道ミサイルの供与などを理由に、北朝鮮のカン・スンナム国防相も含まれています。

ウクライナへの侵攻に伴ってEUの制裁対象となった個人と団体はこれであわせて2000を超えました。

米財務省 ロシア産石油製品への制裁で成果強調

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から24日で2年になるのにあわせてアメリカの財務省はG7=主要7か国などが実施しているロシア産の石油製品の国際的な取引に上限価格を設定する制裁措置について、「ロシア産の原油価格が著しく下落している」として成果を強調する分析結果を公表しました。

23日に公表された分析結果ではこの制裁措置によってロシアの重要な資金源となっている原油の販売による税収は去年1月から9月までに40%減少したとしています。

ロシア産の原油価格は去年秋の時点では市場価格と比べて1バレルあたり12ドルから13ドル低い水準でしたが、その後、G7などが監視を強化した結果、市場価格に比べて1バレルあたり19ドルも安くなったということです。

この措置をめぐっては、ロシアが制裁を逃れるため新たな輸出ルートを構築するなど制裁が十分に効果を発揮していないという見方も出ていますが、アメリカ財務省は「ロシアは石油をより安い価格で販売せざるを得なくなっている」として成果を強調しています。

ロシア外務省が非難「無益な企て」

EU=ヨーロッパ連合が発表した追加の制裁について、ロシア外務省は23日、「EUは一方的な制限によってロシアに圧力を加えようと無益な企てを続けている」と非難する声明を発表しました。

そのうえで、対抗措置としてロシアへの入国を禁止するEUや加盟国の関係者を大幅に増やしたとしています。