アルメニア首相 ロシア主導の軍事同盟への参加凍結を表明

旧ソビエトのアルメニアのパシニャン首相は、ロシアが主導し、アルメニアが加盟する軍事同盟への参加を凍結したと表明しました。アルメニアは隣国アゼルバイジャンとの間の紛争に敗れ、軍事同盟による支援がなかったと非難し、ロシア離れの動きをいっそう加速させています。

アルメニアは、隣国アゼルバイジャンとの間の係争地ナゴルノカラバフをめぐって長年、争ってきましたが、去年9月、アゼルバイジャンが軍事行動に踏み切り、アルメニア側は敗北しました。

アルメニアのパシニャン首相は22日、フランスのテレビ局へのインタビューで、アゼルバイジャンとの間の紛争でロシアが主導し、アルメニアが加盟する軍事同盟CSTOが安全保障上の義務を果たしてこなかったと非難しました。

そのうえで、パシニャン首相は「われわれは事実上、CSTOの参加を凍結した」と表明しました。

ただ、アルメニア国内にあるロシア軍の基地を閉鎖する考えはないとしています。

アルメニアは、旧ソビエトの構成国で安全保障や経済分野などでロシアの強い影響下にありますが、近年、ロシアのプーチン政権との対立を深め、欧米への接近を強めています。

パシニャン首相は、今月18日には、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について反対の立場を明言するなど、ロシア離れの動きをいっそう加速させています。

ロシア大統領府「アルメニアから公式説明受けていない」

アルメニアのパシニャン首相が、ロシアが主導する軍事同盟への参加を凍結したと表明したことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は23日「アルメニアから公式の説明を受けていない。表明の意味をはっきりさせたい。詳細を理解することが重要であり、アルメニア側がすべてを説明することを望んでいる」と述べました。

アルメニアのロシア離れの動きに対し、旧ソビエト諸国をみずからの勢力圏とみなすプーチン政権は警戒感を強めているとみられます。