【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(2月23日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 「祖国防衛の日」に動画公開 “核戦力を増強”

ロシアのプーチン大統領は23日に「祖国防衛の日」と呼ばれる軍人をたたえるロシアの祝日に合わせて、動画を公開しました。

この中でプーチン大統領は「祖国への忠実かつ私欲を捨てた奉仕に感謝する」と述べ、兵士をたたえるとともに、国民に結束を呼びかけました。

続いて、無人機や戦車など通常兵器の生産を強化しているとしたうえで核戦力も増強していると強調しました。

そして、最新型に更新された戦略核兵器の割合が95%となったことや、核兵器搭載可能な戦略爆撃機ツポレフ160、4機が軍に引き渡されたことをアピールしました。

ウクライナが最大の支援国アメリカからの軍事支援が揺らぎ、弾薬などが不足する中、プーチン大統領は軍事力の増強をアピールし、強気の姿勢を強調しました。

IMF ウクライナ支援1300億円以上の追加融資へ 事務レベル合意

IMF=国際通貨基金はウクライナを支援するため、およそ8億8000万ドル、日本円にして1300億円以上にのぼる追加融資を行うことで事務レベルの合意に達したと発表しました。アメリカからの追加の支援が滞る中、IMFとしてはウクライナへの支援継続を強調するねらいもあると見られます。

IMFはロシアによる軍事侵攻が始まったおととし2月以降、ウクライナへの支援を続けていて、去年3月には被害を受けたインフラの復旧や経済の再生などに向けて4年間で156億ドル規模の資金支援プログラムを承認しています。

この融資は、政府の汚職対策に向けた制度改革などを踏まえて実施されることになっていてIMFは22日、およそ8億8000万ドル、日本円にして1300億円以上にのぼる融資を行うことで事務レベルの合意に達したと発表しました。

今後、理事会の承認を経て、融資が行われることになります。

IMFは発表の中で「ウクライナの経済は2023年に力強い成長とインフレ率の低下、準備金の増加がみられたが、戦争が続いていることにより2024年は高い不確実性が続く見通しだ」とコメントしています。

ウクライナへの支援をめぐっては、アメリカでは追加の軍事支援に必要な予算案の議会での審議が野党・共和党の反対で暗礁に乗り上げ、支援が滞った状態が続いていてIMFとしてはウクライナへの支援継続を強調するねらいもあるとみられます。

“イラン ロシアにミサイル供与の交渉進んでいる” 米高官

アメリカ・ホワイトハウスで安全保障分野の広報を担当するカービー大統領補佐官は22日、記者団に対し、イランがロシアに対して短距離弾道ミサイルを供与する交渉が進んでいると明らかにしました。

ミサイルがロシアに到着したかどうかは確認できていないとしていますが、ミサイルが供与されれば国連安全保障理事会で取り上げるなど、各国と共に強い姿勢で対抗措置を取っていくと警告しました。

また、イランがこれまでに大量の無人機や誘導爆弾、それに弾薬を供与し、ロシアによる軍事侵攻を支援しているとして、近く新たな制裁を科す考えも示しました。

カービー補佐官は「ロシアは見返りとして、イランに対して前例のない防衛協力を提示している。これはアメリカだけでなく中東地域全体の脅威を高めることになる」と述べ批判しました。

英外務省 “50以上のロシアなどの個人や企業対象に新制裁”

イギリス外務省は、22日、ロシア産のダイヤモンドや銅といった資源を扱う企業の幹部や、軍需企業など、50以上のロシアなどの個人や企業を対象に新たな制裁を科すと発表しました。

イギリス外務省は、ロシアへの軍需品の供給や収入源を絶つことが目的だとして、資産の凍結やイギリスへの渡航禁止などを科すとしています。

制裁の対象には、三井物産などが出資しロシアの北極圏で進められているLNGの開発プロジェクト「アークティックLNG2」も含まれています。

イギリスの制裁についてキャメロン外相は「われわれの制裁は、プーチン大統領が戦争に必要とする資源を枯渇させている」とした上で、「民主主義のために戦うウクライナを支援し続ける」とコメントしています。

プーチン大統領 戦略爆撃機に搭乗の映像

ウクライナへの軍事侵攻から24日で2年となるのを前にロシアの国営メディアは、22日、プーチン大統領が、訪問先の中部タタルスタン共和国で戦略爆撃機ツポレフ160に搭乗し、飛行中の操縦席で操縦かんを握る映像を伝えました。

この爆撃機はウクライナへのミサイル攻撃に使われているとされ、核兵器も搭載可能で、プーチン大統領としては戦力を誇示するねらいがあるとみられます。

ロシア メドベージェフ副議長 ウクライナに降伏を要求

ロシアメディアは、22日、前の大統領で安全保障会議のメドベージェフ副議長のインタビューを伝えました。

この中で、メドベージェフ副議長はウクライナの首都キーウについて「ロシアの存立に対する脅威の源だ」と述べて再び攻める必要があると主張したほか「選択肢はロシアと共同の国家で暮らすか終わりのない戦争かだ」としてウクライナに降伏を要求しました。

ゼレンスキー大統領 ロシアの掌握地域拡大阻止を強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は、22日、SNSへの投稿で今月ロシア軍に掌握された東部ドネツク州のアウディーイウカについて「新たな防衛線や境界線の防御、敵のさらなる目標を精査した」として、周辺の防衛強化によりロシア軍による掌握地域のさらなる拡大を阻止する姿勢を強調しました。

また、南部ヘルソン州のドニプロ川東岸の集落クリンキを再び掌握したとするロシアの主張について「橋頭保を維持している」と反論しました。

“イラン ロシアに数多くの弾道ミサイル供与” ロイター通信

ロイター通信は21日、複数の関係者の話として、イランがロシアに先月から数多くの弾道ミサイルを供与したと伝えました。

多くは最大射程700キロで、供与はさらに続く見通しだとしています。