「やっぱり強い」火災の焼失免れ 見つかった輪島塗を販売

地震で大規模な火災が起きた石川県輪島市の「朝市通り」。
そこに店を構えていた輪島塗の販売店から、焼失を免れた盆やわんが見つかりました。

「輪島塗はやっぱり強い」
(8代目の店主 小西泰輔さん)

復興への願いを込めて、見つかった漆器の販売が始まりました。

そのままの状態で…

「朝市通り」に店を構える「小西庄五郎漆器店」。

江戸時代から続く老舗で、輪島塗の製造販売を行っていますが、能登半島地震で発生した大規模な火災で店や職人の仕事場などが焼けました。

その後、焼失を免れた店の一部の部屋や倉庫を確認したところ、輪島塗の盆やわん、それに茶道具などが見つかりました。

8代目店主 小西泰輔さん
「避難所にいましたから、しばらくして落ち着いてから店に来まして、そのままの状態で見つかり、うれしかったです。輪島塗はやっぱり強い、そして優美だなと思いました」

今月21日には、漆器店と長年取り引きのある滋賀県大津市の老舗の和菓子店の社員らが駆けつけ、およそ200点の輪島塗を運び出しました。

商品が入れられた箱はすすが付いていましたが、中の商品は火災の影響はなく、状態はよいことが確認されました。

小西泰輔さん
「本当に助かりました。復興のためにも職人たちとともに頑張りたいと思っています」

“輪島塗 手にとってほしい”

焼失を免れた輪島塗の漆器は大津市まで運ばれ、23日から販売する催しが始まりました。漆器店を支援しようと和菓子店が開きました。

会場には、輪島塗の盆や皿などおよそ100点が並び、訪れた人たちは光沢が美しい赤や黒の漆塗りや、こまやかなまき絵がほどこされた漆器を見て回っていました。

京都市から訪れた60代の男性は「少しでも支援したいと思い来ました。輪島市の朝市通りには訪れたことがあり、早く復興してほしいです」と話していました。

この販売会は、大津市の「寿長生の郷」で来月20日まで開かれ、在庫がなくなりしだい終了するということです。

小西泰輔さん
「地震と火災は大変でしたが、販売会が開かれて本当にうれしいです。輪島塗は高価ですが修理すれば繰り返し使えるのでぜひ手に取ってほしいです。職人さんはいまはほとんど輪島から避難していますが、少しでも早く復興して、帰ってきてほしいです」