日銀総裁 “今後も物価上昇続く デフレでなくインフレ状態”

日銀の植田総裁は22日、衆議院予算委員会に出席し、日本経済について今後も物価上昇が続くとして、「デフレではなくインフレの状態にある」と述べました。日銀は2%の安定的な物価上昇が見通せれば、今の大規模な金融緩和を転換する方針で、今後の判断に注目が集まります。

衆議院予算委員会に出席した植田総裁は、今はデフレかインフレのどちらなのかと問われたのに対し、「消費者物価は去年までと同じような右上がりの動きが続くと予想している。そういう意味でデフレではなく、インフレの状態にあると考えている」と述べました。

そのうえで、物価と賃金の好循環が実現するかどうかについて、植田総裁は「労働需給が引き締まるもとで、企業の賃金設定行動も従来より積極的な動きが見られている。こうした動きが続くもとで雇用賃金が増加する中で物価も緩やかに上昇する好循環が強まっていく」と述べました。

植田総裁は1月の記者会見で「デフレの状況とはかなり遠いところに来ている」とする認識を示していましたが、今回「インフレの状態にある」と踏み込んだ表現を使った形です。

日銀は2%の安定的な物価上昇が見通せれば、マイナス金利政策を含む大規模な金融緩和を転換する方針で、今後の判断に注目が集まります。