【解説】日経平均株価 史上最高値更新 なぜ 暮らしへの影響は

22日の東京株式市場、日経平均株価は大きく値上がりして、バブル期の1989年12月29日につけた、取り引き時間中の史上最高値を更新し、3万9000円台をつけました。
これについて、経済部の市原将樹デスクに聞きました。

※2月22日午後1時のニュースで放送されました。
※動画は2分54秒、データ放送ではご覧になれません。

Q.株価が史上最高値を更新。34年ぶりということですね。

市原将樹デスク
まさに歴史的な節目を迎えたといえます。失われた30年とも呼ばれる長い停滞が続いてた日本経済にとってバブル絶頂期につけた株価は、常に意識はされていましたが、到達は難しいのではないかとさえ思われていました。

この水準が続くのか、日本経済の実態を反映しているのかについてはさまざまな見方がありますが、市場関係者からは日本経済が長引く低成長とデフレから抜け出す転換点にあることを示す象徴的な意味があるという声も出ています。

Q.株価上昇の要因は?

市原将樹デスク
22日はアメリカの半導体大手の決算がきっかけとなりましたが、このところの株高の要因は大きく5つが挙げられます。

アメリカでは主要な株価指数が史上最高値を更新し続けています。
国内でも、好調な決算を背景に半導体関連銘柄などが株価を押し上げています。
日銀がマイナス金利政策を解除しても当面は緩和的な金融環境を続ける姿勢を示したことも支えとなっています。
34年前に比べて日本市場への影響力を高めている海外投資家が、経済の減速傾向が続く中国から日本に資金を移しているという指摘もあります。

Q.暮らしや経済への影響、そして今後の見通しは?

市原将樹デスク
株を保有している人は資産が増えますし、株式は年金の運用などにも利用されているため、運用実績の改善も見込まれます。企業も資金調達がしやすくなり投資が活発化する可能性もあります。

一方で、投資余力がない人は直接的な恩恵を受けられません。日本経済を見ても消費や投資は力強さを欠きますし、日本企業に世界を席けんしたとまで言われた当時ほどの存在感があるとは言いづらい状況です。

史上最高値の更新は明るい材料ではありますが、今後の株価の動向や日本経済の実力については冷静な見方も必要になると思います。