函館の特養で不適切な身体拘束 施設の運営法人の理事長が陳謝

北海道函館市の特別養護老人ホームで、入所者のベッドを柵で囲うなどの不適切な身体拘束が明らかになった問題で、施設の運営法人の理事長が22日に報道各社の取材に応じ、「身体拘束は人手不足からの苦肉の策で、やむにやまれず行ったが、大いに反省している」と陳謝するとともに、再発防止に取り組む考えを示しました。

函館市の特別養護老人ホーム「恵楽園」では、入所者のベッドを柵で囲って行動を抑制するといった、介護保険法などで原則、禁止されている身体拘束が日常的に行われていたことが明らかになり、市が調査を進めています。

22日に施設を運営する社会福祉法人「恵山恵愛会」の菅龍彦理事長が報道各社の取材に応じ、これまでの内部調査の結果、
▽6人の入所者について、ベッドを柵で囲っていたほか
▽2人の入所者に対し、体をタオルなどできつく巻く行為をしていたことが分かったと明らかにしました。

職員への聞き取りなどから、遅くともおととし以前から、身体拘束が行われていたことが確認されたものの、具体的にいつ始まったかは分かっていないとしています。

菅理事長は虐待にあたるという認識があったと認めたうえで、「身体拘束は人手不足からの苦肉の策で、やむにやまれずやっていた。短時間であれば許されるという甘い考えがあったが、責任は自分にあり、大いに反省している」と陳謝し、入所者にも直接、謝罪する考えを示しました。

また、引き続き、内部調査を行うほか、職員を対象にした研修を実施するなど、再発防止策を講じるとともに、詳しい経緯をまとめた報告書を来週にも市に提出するということです。

一方、函館市は報告書の提出を待って、虐待にあたるかなどの詳しい調査を進めることにしています。