処理水放出から半年 “中国に規制撤廃を働きかける” 坂本農相

福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出から24日で半年となるのを前に、坂本農林水産大臣は日本産水産物の輸入停止措置を続ける中国に対し、引き続き、規制の撤廃を働きかけるとともに、輸出先の多角化などに取り組んでいく考えを強調しました。

東京電力福島第一原発の処理水の海への放出から24日で半年となりますが、反発する中国による日本産水産物の輸入停止措置が続き、撤廃される見通しは立っていません。

これについて、坂本農林水産大臣は22日の閣議の後の会見で、「科学的根拠に基づかない規制がいまだに続いていることは極めて遺憾だ。今後も政府一丸となって、規制の即時撤廃に向けて働きかける」と述べました。

さらに、中国への輸出が多かったホタテやナマコについては、一部の産地で価格が下落していると指摘した上で、「輸出先の転換や多角化、さらなる国内消費の拡大を進めていきたい。今後、北海道をはじめ、ホタテの水揚げが本格化するので、国内の消費者にも息の長い支援をお願いしたい」と述べ、引き続き、輸出先の多角化や国内の消費拡大などに取り組んでいく考えを強調しました。

齋藤経産相「引き続き安全確保に万全を期す」

福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出から24日で半年となるのを前に、齋藤経済産業大臣は22日の閣議のあとの会見で、処理水の放出は、これまでのところ計画どおりできているとしたうえで、引き続き、安全性の確保に万全を期していく考えを強調しました。

この中で、齋藤経済産業大臣は、去年8月から開始した処理水の放出について、「これまでのモニタリングの結果から計画どおり放出できていて、安全であることが確認されている。引き続き、安全性の確保に万全を期すとともに、国内外に対する丁寧な情報発信に取り組んでいきたい」と述べました。

また、中国による日本産水産物の輸入停止措置が続いていることについては、「さまざまなレベルで中国側との意思疎通を行っているところだ。継続して輸入規制の即時撤廃を強く求めていきたい」と述べました。