ロシア軍に雇われ前線で戦う外国人 少なくとも3000人か

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって24日で2年となります。侵攻が長期化するなか、ロシア軍に雇われるなどして前線で戦う外国人の存在が伝えられていますが、NHKが各国の政府発表や報道などをまとめたところ、その規模は少なくとも25の国や地域からおよそ3000人に上ることがわかりました。

ロシア軍は犠牲もいとわず、多くの兵力を投入しながらウクライナ侵攻を続けていると指摘されていますが、ロシア人だけでなく、外国人も前線に送り込んでいることがメディアで伝えられています。

こうした外国人の出身国の政府や人権団体による発表、地元メディアなどの報道をNHKがまとめたところ、その規模は少なくとも25の国や地域からおよそ3000人に上ることがわかりました。

国や地域別では
▽中東のシリアが最も多くおよそ2000人
▽ネパールと中央アジアのキルギスが少なくとも200人
▽キューバが少なくとも199人
▽中央アフリカがおよそ150人
などとなっています。

ただ、報じられていないケースなどもあると指摘され、実際にはさらに多いとみられます。

ロシア側で戦う外国人の中には、ロシアの刑務所にいた際に民間軍事会社に誘われる形で戦闘に参加したり、ネパールやキューバなどでロシア側から高額な報酬で勧誘されたりしたケースも明らかになっています。

ロシアのプーチン大統領は先月、ロシア軍などと1年間契約した外国人とその家族を対象に、ロシア国籍の申請手続きを簡素化すると発表していて、外国人を雇うことで不足した兵力を補うねらいがあるとみられます。

“中央アフリカで兵士募り 帰還せず”

アフリカでのロシア側の動向に詳しいジャーナリストのフィリップ・オバジ氏はNHKの取材に対して、中央アフリカの政府関係者などの話として、ロシアは中央アフリカで兵士を募り、少なくともおよそ150人を戦地に向かわせたとみられるとしています。

このなかでオバジ氏は「ウクライナで兵員不足に陥ったロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊が、中央アフリカで政府側に投降した反政府勢力の戦闘員に注目し、彼らに給与の支払いを約束してモスクワへと連れて行ったこともある」と述べました。

その上で、「ロシア側に行った兵士が地元の人に連絡をしてきた際には、『ロシアの指揮官に見捨てられて大変な目にあっている』と話すこともあったそうだ。これまでに戻ってきた人はほとんどおらず、彼らの身に何が起きたかは全く分からない」と話していました。