古川聡さん 宇宙での実験の成果語る「月やその先に行くため」

去年から国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士の古川聡さんが、これまで行ってきた実験の成果について話し、「今後、人類が月やその先に行くための試験ができる環境だった」と振り返りました。

古川さんは去年8月から国際宇宙ステーションに滞在し、さまざまな実験に取り組んでいて、21日、同僚の宇宙飛行士と一緒に、これまでの成果について地球からの質問に答えました。

この中で古川さんは、細胞がどのように重力を感じているのか調べた実験を取り上げ、「細胞で何が起きているか理解できれば、宇宙飛行で起きる骨や筋肉の衰えに対処できるようになり、さらに、地球上で起きる同じような病気の理解にもつながる可能性がある」と話していました。

また、宇宙で手術を行うためのロボットを地球から遠隔操作する実験については「地球との間に時間のずれが起きることが課題で、今後、人類が月やその先に行くとずれはさらに大きくなる。国際宇宙ステーションはそうした将来の状況を想定した試験ができる環境だった」と振り返りました。

そして、高品質のたんぱく質の結晶を作る実験については「結晶の解析を行うとより詳しい構造がわかり、新薬の開発につながるたんぱく質の候補を効率よく絞り込むことができる」と意義を強調していました。

古川さんの滞在はおよそ半年の予定で、来月にも地球に帰還する見込みです。