共同開発の防衛装備品輸出 自公で今月中に合意できるか焦点

次期戦闘機など他国と共同開発する防衛装備品の第三国への輸出をめぐり、自民・公明両党の政務調査会長による協議が始まりました。
政府・自民党は輸出を容認したい考えで、慎重な立場の公明党と今月中に合意できるかが焦点です。

政府はイギリス・イタリアと開発を進める次期戦闘機の3か国協議が来月以降に本格化すると見込まれることから、与党に対し、今月中に他国と共同開発する防衛装備品の第三国への輸出を容認するよう求めています。

このため、自民・公明両党は実務者による協議を続けてきましたが、合意に至らなかったことから21日、レベルを格上げして政務調査会長による協議を初めて行いました。

自民党は輸出を容認したい考えですが、公明党は慎重な立場で、高木政務調査会長は「次期戦闘機の共同開発を決めた段階では完成品を第三国に輸出するという認識ではなかったが、なぜ輸出するということになるのか。国民の理解を得るための手段も課題となるので、問題意識を伝えた」と述べました。

政府・自民党内には公明党に配慮して、装備品の第三国への輸出を当面、次期戦闘機に限定する案も検討されています。

自民・公明両党の政務調査会長は来週にも改めて協議することにしていて、今月中に合意できるかが焦点です。

木原防衛相「国会の質疑などで丁寧に説明」

次期戦闘機など、他国と共同開発する防衛装備品の第三国への輸出を認めるかどうかをめぐり、木原防衛大臣は国民の理解を得ることが重要であり、国会の質疑などで丁寧に説明していく考えを示しました。

イギリス・イタリアと開発を進める次期戦闘機など、他国と共同開発する防衛装備品の第三国への輸出を認めるかどうかをめぐっては、21日、自民・公明両党の政務調査会長の間で協議が始まり、輸出に慎重な立場の公明党は安全保障上の必要性や国民の理解を得るための方策を検討すべきだと主張し、政府にその内容や手段を考えるよう求めました。

これについて、木原防衛大臣は閣議の後、記者団に対し、「国民の理解を得ることが重要だと考えており、政府の考えについては、国会における質疑も含めて適切に説明していきたい」と述べました。

その上で、「輸出の必要性をさらに丁寧にわかりやすく説明し、与党の合意を得るべく進めていきたい」と述べ、政府が求める第三国への輸出を容認するよう、与党に求めていく考えを重ねて示しました。

公明 北側副代表「意義や必要性しっかり説明を」

次期戦闘機など他国と共同開発する防衛装備品の第三国への輸出を今月中に容認するよう、政府が与党に求めていることについて、公明党の北側副代表は結論を出す時期ありきではなく十分な検討を行う必要があるという考えを示しました。

次期戦闘機の開発の作業分担に関するイギリスとイタリアとの3か国協議が来月以降に本格化すると見込まれるため、政府は与党に対し、今月中に他国と共同開発する防衛装備品の第三国への輸出を容認するよう求めています。

これについて公明党の北側副代表は記者会見で「次期戦闘機を3国で共同開発すること自体、初めて知る国民も多く、意義や必要性をしっかりと説明しなければならない」と指摘しました。

その上で「自民党との協議を引き延ばす意図は全くないが、大事なのは中身であり、時期ありきではない」と述べました。