政治資金問題 衆院政倫審 早ければ来週半ば開催を与野党検討

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、自民党は松野・前官房長官ら5人が衆議院政治倫理審査会に出席する意向だと野党側に伝えました。早ければ来週半ばの開催を検討していて、与野党で具体的な日程や公開の是非などの調整が行われる見通しです。

今回の問題を受けた衆議院政治倫理審査会について、自民党は立憲民主党に対し、
▼安倍派の塩谷・元文部科学大臣と
▼二階派の武田・元総務大臣に加え、いずれも安倍派の「5人衆」と呼ばれる議員で事務総長を務めた
▼松野・前官房長官、
▼西村・前経済産業大臣、
▼高木・前国会対策委員長の3人が出席する意向だと伝えました。

5人は22日、審査会に対し、審査を申し出ることにしています。

西村氏は記者団に対し、「私が知りうることをすべて正直に話して、説明責任をしっかり果たしたい」と述べました。

自民党は早ければ来週半ばの開催を検討しており、2日にわけて行う案も出ています。

これに対し、野党側は立憲民主党の安住国会対策委員長が、原則、非公開の審査会について、「本人の意思を尊重しなければならないが、できればフルオープンでということは強く申し上げる」と述べるなど、公開して開催するよう求めています。

こうした状況を踏まえ、与野党で具体的な日程や公開の是非などの調整が行われる見通しです。

審査会が開かれれば2009年以来となります。

また、野党側は参議院でも審査会の開催を申し入れました。

安倍派「5人衆」の1人、世耕・前参議院幹事長は、開催されれば出席する意向を明らかにしていて、今後、出席者の調整などが行われるものと見られます。

参議院で審査会が開かれれば初めてです。

一方、新年度予算案について与党側は、年度内の成立が確実になる来月2日までに衆議院を通過させたい考えです。

それに向けて、中央公聴会のあとに開くのが通例となっている分科会に続いて、来週29日に中央公聴会を開く異例の提案を行っていて、政治倫理審査会の日程と並行して与野党で協議が行われます。

立民 泉代表「隠す必要なく公開を」

立憲民主党の泉代表は記者会見で、「どういう経緯で裏金をシステムとして続け、誰がどのような発言をし、会計責任者とどんなやり取りがあったかなどについて明確に答えるべきだ。不十分な説明なら次の手段として証人喚問に移らざるをえない。隠す必要はなく、公開で行ってもらいたい」と述べました。

また、自民党に対し、関係議員全員に出席の意向を確認するよう求めていることについて、「5人のほかにも審査会に出たいと言っている議員がいるかもしれないのに意思確認を遅らせている。きょう午前中の回答を求めているが、結果がごまかしのようなものなら、今後の国会日程に影響が及ぶのではないかと懸念している」と述べました。

公明 山口代表「説明責任を尽くす場に」

公明党の山口代表は党の中央幹事会で「何のために審査会があるのかを踏まえ、説明責任を尽くす場として、国民の関心に応えられるように機会を生かしていくべきだ。また、新年度予算案については自然成立が確保できるような日程での衆議院での可決を求めたい」と述べました。

教育 前原代表「説明不十分なら証人喚問も」

教育無償化を実現する会の前原代表は記者会見で「安倍派と二階派で組織的にどのようなことが行われていたのか、しっかりと説明責任を果たしてもらえるかどうかが大事だ。不十分であれば参考人招致や証人喚問も考えられる。開催にあたっては、非公開では国民は全く納得せず、公開で開催すべきだ」と述べました。