イスラエル首相 “戦い続ける” ハマス側の条件拒否する姿勢

イスラエルのネタニヤフ首相は「内外から戦争をやめろという圧力がかかっているが、すべての目標を達成するまで戦い続ける」と述べ、イスラエル国内から不満の声が上がる中でも、ガザ地区での完全な停戦を求めているハマス側の条件を改めて拒否する姿勢を示しました。

イスラエルでは、停戦と人質の解放に向けた交渉が停滞する中、20日に人質の家族が一刻も早い解放を訴える集会を開くなど、ネタニヤフ首相への不満が公然と聞かれるようになっています。

こうした中、ネタニヤフ首相は20日にイスラエル軍の施設を訪れ、兵士を前に「イスラエル国内、そして海外からも、われわれが目標を達成する前に戦争をやめろという圧力が強まっている」という認識を示しました。

そのうえで、「私たちは人質の解放を実現したいと強く願っているが、ハマスが要求しているような妄信的な代償を払うつもりはない」と述べ、仲介国をはさんだ交渉で完全な停戦を求めているハマス側の条件を拒否する姿勢を改めて示しました。

一方、イスラエル軍の激しい攻撃が続くガザ地区では、人道危機が悪化の一途をたどっています。

ユニセフ=国連児童基金などが緊急に出した報告書では、ガザ地区の全世帯の64%が、毎日一食分しか食料を確保できないということです。

さらに避難者など150万人近くが密集し、イスラエル軍が地上作戦を強行する構えを強めている南部ラファで活動する医師は、子どもたちの4割から5割程度がA型肝炎や肺炎などの感染症にかかっているおそれがあるとしています。

危機的な状況の中、幼い子どもたちの栄養状態や健康状態の急速な悪化が懸念されています。