投降のロシア軍元兵士 “スペインで何者かに銃撃され死亡”

スペインなどのメディアは、ロシア軍のミル8型ヘリコプターのパイロットとして去年8月にウクライナ側に投降したロシア軍の元兵士について今月13日、スペイン南東部のアリカンテ近くの町にある地下駐車場で、何者かに銃で撃たれて死亡しているのが見つかったと19日、報じました。

メディアによりますと、死亡したのは、ロシア軍の元兵士、マクシム・クジミノフさん(28)で、偽のパスポートを使ってウクライナからスペインに身を移し暮らしていたということです。

ロシアの国営テレビは去年10月、ロシア国防省のGRU=軍参謀本部情報総局の特殊部隊の隊員がこの元兵士について「必ず見つけ出し、裏切り者は罰する」と話すインタビューを放送していました。

また、プーチン大統領の側近で、対外情報庁のナルイシキン長官は20日、ロシアメディアに対し、元兵士が遺体で見つかったことについて「この裏切り者の犯罪者は、汚らわしい犯罪を計画していた時に、すでに道徳的には死んでいた」と述べ、ウクライナ側に投降したことを激しく非難しました。

元兵士が殺害された背景などは分かっていませんが、ロシアでは今月16日にプーチン政権を批判していた反体制派の指導者ナワリヌイ氏の死亡が発表されたこともあって欧米メディアは、元兵士の死亡についても関心を持って伝えています。