フーシ派の船舶攻撃 日本に届く食材にも到着遅れなどの影響

紅海周辺の船舶にフーシ派が攻撃を繰り返しているため、海上輸送でスエズ運河などの航行を取りやめ、大幅にう回するケースが相次いでいます。
このため、日本に届く食材などでも到着が遅れたり輸送コストが大幅に増えたりするなどの影響が広がっています。

東京 練馬区にある従業員およそ30人の専門商社は、トルコやイタリアなどから年間におよそ6000トンの食材を輸入し、小売り業者などに卸しています。

しかし、去年11月以降、フーシ派による船舶への攻撃を受けて契約する海運会社がスエズ運河の航行をやめてアフリカの喜望峰を回るルートに変更したため、影響が出ているということです。

会社によりますと、トルコ産のパスタやお菓子、それにイタリア産のトマト缶など多くの商品で日本への到着が予定より1か月ほど遅れていて、品薄となる商品が出ています。

また、航路の大幅なう回のためにヨーロッパやトルコなどから日本までの輸送料は20トン余りが入るコンテナ1つ当たりおよそ30万円となり、以前の2倍ほどに値上がりしているといいます。

この会社では今後、商品の卸値価格を引き上げることも検討しているといいます。

「トゥーバトレーディング」の田野浩ニセールスマネージャーは「海上輸送のコストが増えるのは大変な痛手です。取引先に状況の共有をしながら、価格をどうするか検討していきたい」と話しています。

ワイン輸入 欧州からの入荷に遅れ 店舗で欠品も

静岡県に本社があるワインの輸入業者では、ヨーロッパやアメリカなど海外から輸入したワインを全国の27店舗で販売しています。

しかし、紅海周辺で船舶への攻撃が相次ぎ、海上輸送に遅れが出ている影響で、フランス産やイタリア産などヨーロッパから輸入する一部の商品の入荷が1か月ほど遅れているということです。

この影響で、中央区銀座にある店舗では、1週間ほど前からスペイン産のワインの欠品が続いています。

この商品は店でも人気の商品の一つだということで、売り場には欠品を知らせる案内が表示されていました。

会社によりますと、入荷の遅れは3月から4月ごろまで続く見通しだということで、現在は、入荷までの期間を従来より長く見込んで発注を行っているほか、オーストラリアなどほかの地域の商品を積極的に売り出すなどして対応しているということです。

「ヴィノスやまざき」商品部の保坂清仁グループ長は「欠品がないよう今までより在庫を多く持つなど発注を工夫することで、お客様にワインを届けていきたい」と話していました。