中国人権活動家 日本で娘が病死 渡航求めるも中国当局認めず

中国の人権活動家で元弁護士の唐吉田氏の娘が、留学先の日本で病気のため20日亡くなりました。唐氏は病に倒れた娘に会うため日本への渡航を求めてきましたが、中国当局は出国を認めず、面会はかないませんでした。

中国の人権活動家、唐吉田氏は、弁護士として当局による強制的な立ち退きで土地や家を奪われた市民などを支援してきましたが、政府への批判もいとわない姿勢が問題視され、2010年に資格を剥奪されました。

唐氏の娘の正※キさんは2019年に大学進学を目指して来日したものの、3年前に髄膜炎にかかり意識不明の状態が続き、支援を行っていた東京大学大学院の阿古智子教授によりますと、肺炎のため20日、東京都内で亡くなったということです。

27歳でした。

唐氏は病に倒れた娘に会うため日本への渡航を求めてきましたが、中国当局は「国家の安全」などを理由に出国を認めず、面会はかないませんでした。

唐氏は去年1月まで1年余り当局に拘束され、現在も当局の監視下に置かれているとみられます。

中国の社会問題に詳しい阿古教授は「習近平指導部では『国家の安全』が、人権よりも重視されるケースが増えている。国民への締めつけを強める現状を見直すべきだ」と話しています。

※キは「王」へんに「其」

中国外務省「承知していない」

中国当局が唐吉田氏の日本への渡航を認めないまま、唐氏の娘が亡くなったことについて、中国外務省の毛寧報道官は、21日の記者会見で「承知していない」と述べるにとどまりました。