福島第一原発 汚染水トラブル 経産相が東京電力社長に指導

福島第一原子力発電所で、汚染水の浄化装置から放射性物質を含む水が漏れたトラブルなどを受けて、齋藤経済産業大臣は、東京電力の小早川智明社長と面会し、安全確保に万全を期すよう指導しました。

福島第一原発では2月7日に、汚染水の浄化装置で放射性物質を含む水が屋外に漏れ出したほか、去年10月にも、作業員に放射性物質を含む廃液がかかるトラブルが起きています。

相次ぐトラブルを受けて、齋藤経済産業大臣は21日午前、経済産業省で東京電力の小早川智明社長と面会しました。

はじめに小早川社長はトラブルについて「非常に心配をおかけし、おわび申し上げる。安全確保の観点から起こしてはならない事案であり、社長として極めて重く受け止めている」と述べ、陳謝しました。

これに対して、齋藤大臣は「東京電力の廃炉作業の安全性について地元や国内外に不安を抱かせるものだ。経営上の課題として重く受け止めてほしい」などと述べ、安全確保に万全を期すよう指導しました。

そのうえで、再発防止に向けて一連のトラブルに共通の要因がないか分析を進めるとともに、人為的なミスを防ぐため、デジタル技術も活用していくよう求めました。

面会のあと、東京電力の小早川社長は記者団に対し、「指導も踏まえ、外部の専門家にも入ってもらって、人の手を介さずに済むような効果的なミスの防止策の検討を進めていきたい」と述べました。

齋藤経産相「東電に厳しい指導を 首相から指示」

また齋藤経済産業大臣は、21日午後、総理大臣官邸を訪れ、岸田総理大臣にトラブルの内容や再発防止策について説明を行いました。

このあと、齋藤大臣は記者団の取材に応じ、岸田総理大臣から再発防止の徹底に加え、廃炉作業の安全確保に向けて東京電力を厳しく指導することや、経済産業省を中心に関係省庁とも連携して、国内外に対し、丁寧な説明と情報発信を行うよう指示を受けたことを明らかにしました。

その上で、齋藤大臣は「総理からの指示をしっかりと実行していきたい」と述べました。