大正時代の洋館「春木屋洋品店」損傷激しく再建断念 石川 七尾

能登半島地震のあと、石川県七尾市では国の登録有形文化財の建物すべてに大きな被害が確認されています。このうち、100年余り前の大正時代に建てられた洋館は損傷が激しいことなどから再建を断念することになりました。

七尾市にある18の建物などが国の登録有形文化財になっていますが、今回の地震によってすべての建物で壁がはがれ落ちたり家が傾いたりするなどの被害が確認されています。

このうち、市の中心部にある木造2階建ての「春木屋洋品店」は1階と2階部分が屋根に押しつぶされ倒壊しました。

春木屋洋品店(2014年)

この建物は103年前の大正10年に建てられた洋館で、白いモルタル塗りの外壁にアーチ型の窓が並ぶ洗練された洋風のデザインが取り入れられていました。

17年前の能登半島地震でも全壊と認定される被害を受けその後、復元されましたが、今回は、外壁の損傷が激しいことから再建を断念することになりました。

春木屋洋品店の7代目店主の春木憲さんはふだんは隣にある住宅で暮らしていますが、先月1日は地震が起きる前にこの洋館に家族で集まろうとしていたということです。

春木さんは「この建物で家族で過ごそうとしていましたが、寒いので取りやめたところ地震があり驚きました。地域に親しまれてきた建物なので残していきたいが、再建は難しく非常に残念です」と話していました。