アメリカが拒否権行使し否決 ガザ停戦決議案 国連安保理

イスラエル軍がガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せるなか、国連の安全保障理事会では人道目的での即時停戦を求める決議案の採決が行われました。

日本を含む13か国が賛成しましたが、アメリカが戦闘の休止と人質の解放などをめぐり外交交渉が続いているとして再び拒否権を行使し、決議案は否決されました。

イスラエル軍がガザ地区の住民の多くが避難する南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せる中、安保理ではアルジェリアが人道目的の即時停戦や人道支援の強化などを求める決議案を提出しました。

20日行われた採決の結果、理事国15か国のうち日本やフランスなど13か国が賛成し、イギリスが棄権しましたが、アメリカが拒否権を行使し、決議案は否決されました。

去年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が始まって以降、安保理で停戦などを求める決議案にアメリカが拒否権を行使するのは4回目です。

採決のあとアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は、アメリカやエジプトなどが仲介して戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が続けられているとして「この決議案では持続可能な和平は達成できない。難しい交渉の行方を脅かすもので賛成できない」と述べ、人質の解放を前提に一時的な戦闘休止を求める新たな決議案を提出する考えを示しました。

各国からは、アメリカなどの外交努力を評価しながらも、ラファが危機的な状況に陥る中、決議案が否決されたことに失望する声が相次ぎました。

一方ロシアのネベンジャ国連大使は「アメリカの拒否権によって多くのガザの住民の運命が破滅に追いやられる」と述べ、アメリカを厳しく非難しました。