ハマス最高幹部 交渉仲介するエジプトを訪れ協議 進展は不透明

イスラエルとイスラム組織ハマスの間の戦闘休止をめぐる交渉についてハマスの最高幹部が20日、交渉を仲介するエジプトを訪れ、協議を行っていることが明らかになりました。停滞する交渉の進展につながるかは不透明な状況です。

ハマスは20日、声明を発表し、ハニーヤ最高幹部がエジプトの首都カイロを訪れ戦闘の休止と人質の解放などをめぐってイスラエルとハマスの間で続く交渉に関して、仲介役のエジプト政府の高官と協議したと明らかにしました。

これまでの交渉では戦闘休止の期間やイスラエルの刑務所から釈放されるパレスチナ人の数などについて、イスラエルとハマスの間で隔たりが大きいままです。

ハマスの最高幹部がエジプトに入ることで停滞する交渉の進展につながるかは依然として不透明な状況です。

一方で、イスラエル軍は避難者など150万人近くが暮らす南部ラファへの地上作戦を強行する姿勢を崩していません。

これについて、イスラエルの有力メディア、「ハーレツ」は19日、軍関係者の話として、住民を退避させるため地上作戦の準備には、数週間かかる可能性があると伝えています。

こうした中、WFP=世界食糧計画は20日、ガザ地区北部に食料を運ぶトラックの安全が確保されないため、状況が改善されるまでは北部への運搬を停止すると発表しました。

北部では飢餓が深刻化し、食料や水を求める人々で治安状況が悪化していると指摘しています。

ユニセフ=国連児童基金などはガザ地区北部では、2歳未満の子どもの6人に1人が急性の栄養失調に陥っているとしています。

南部のラファでも地上作戦が行われれば、人道状況はさらに悪化することが予想され、国際社会からの懸念が高まっています。