安倍派元事務総長 西村前経産相 衆院政倫審出席の意向固める

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、自民党では新たに安倍派の事務総長を務めた西村・前経済産業大臣が政治倫理審査会に出席する意向を固めました。自民党は、党内調整の状況を野党側に伝え、新年度予算案の衆議院通過に向けた環境を整えたい考えで、与野党の攻防が続く見通しです。

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、自民党は20日、安倍派の座長や事務総長を務めた塩谷・元文部科学大臣と二階派の事務総長を務めた武田・元総務大臣が衆議院政治倫理審査会に出席する意向を示していると立憲民主党に伝えました。

これに対し、野党側は、2人だけでは不十分だと強く反発し、ほかの安倍派幹部らの出席も求めました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は「話にならない。派閥の幹部クラスの議員は、ここで名乗り出てもらわないとまずいと思う」と述べました。

これを受けて、自民党は調整を進め、新たに安倍派で事務総長を務めた西村・前経済産業大臣が説明責任を果たしたいとして審査会に出席する意向を固めました。

自民党としては、引き続き党内調整の状況を野党側に伝えることで、新年度予算案の採決の前提となる中央公聴会の日程を決め、衆議院通過に向けた環境を整えたい考えです。

国会では20日、盛山文部科学大臣の不信任決議案が否決され、衆議院予算委員会で21日から新年度予算案の審議が再開します。

自民党の森山総務会長は「予算案には災害復旧の経費が含まれており、できるだけ早く成立するよう与党として条件を整えていく」と述べました。

ただ野党内には「審査会への出席者が1人増えただけでは厳しく、ほかの安倍派の事務総長経験者らも出てくるべきだ」という声もあり、与野党の攻防が続く見通しです。

一方、立憲民主党では、梅谷守・衆議院議員が1月、選挙区内で有権者に日本酒を渡していたことが分かりました。

有権者への寄付を禁じた公職選挙法に抵触するおそれがあり、党執行部が対応を検討することにしています。