被災酒造会社 別の会社にコメを移して酒造り継続 石川 能登町

能登半島地震で被災した石川県能登町の酒造会社が、県南部の小松市の蔵にコメを移して日本酒造りを続けることになり、本格的な作業が始まりました。

石川県能登町にある「松波酒造」は、今回の地震で日本酒を醸造する蔵が倒壊する大きな被害を受けました。

ただ、およそ3トンのコメは被害を免れたため、協力を申し出た、県南部の小松市にある酒造会社にコメを移して、酒造りを続けることになりました。

20日からは酒造りの工程が本格的に始まり、7代目の金七聖子さんが(48)酒造会社を訪れました。

始まったのはコメのぬかや汚れを落として水分を吸わせる「洗米」という工程で、金七さんは、被災した蔵から運んだコメを洗米用の機械から適切なタイミングで取り出せるよう、ストップウォッチで時間を計っていました。

日本酒は4月の上旬ごろの出荷を見込んでいるということです。

この蔵では被災したほかの酒造会社からもコメを受け入れ、酒造りの場所を提供するということで、杜氏(とうじ)の奥田和昌さんは「水質が違うため、能登の味をどこまで再現できるか分かりませんが、要望に沿った味に責任を持って近づけたい」と話していました。

金七さんは「避難生活が長く続いていたので酒づくりで頭や体が動かすと元気がみなぎります。ことしも地元を始め、多くの人にお酒を届けたい」と話していました。