難病や希少疾患 AIシステムが診断支援 無料サイトの公開も

診断が難しい難病や希少疾患を対象にAI=人工知能が患者の症状から病名の候補を探し出し、医師の診断を支援するシステムを京都大学や大手IT企業などが開発しました。

京都大学や大手IT企業の「日本IBM」などの研究グループが開発した「Rare Disease-Finder」は患者の症状からAIが可能性の高い難病や希少疾患の候補を提示するシステムです。

AIは難病や希少疾患についての大規模なデータベースや医学論文を学習していて、入力された患者の症状をもとにおよそ1万の難病や希少疾患から可能性が高い病名の候補を提示します。

難病や希少疾患は症例数が少ないことなどから診断が難しく、患者が適切な治療にたどりつくまでに長い時間がかかることがあります。

研究グループは、医療関係者向けに専門的な医学用語で精度の高い検索ができるシステムを提供し、利用を呼びかけています。

また、一般の患者や家族向けにも「日中に眠くなる」とか「飲み込みづらい」など簡単なことばで症状を入力して情報を調べられる無料のウェブサイトも公開しています。

京都大学大学院医学研究科の松田文彦 教授は「診断の支援をすることで、症状に悩む患者さんができるだけ早く専門医の治療につながることを目指していきたい」と話しています。