石川 志賀町で初めての仮設住宅20戸が完成 3月から入居へ

能登半島地震で震度7の揺れを観測し多くの住宅が被害を受けた石川県志賀町で初めての仮設住宅が20戸完成し、3月から入居が始まることになりました。

震度7の揺れを観測した志賀町では、合わせて6100棟余りの住宅被害が確認され、今もおよそ560人が避難所で生活を続けています。

こうした中、富来地区の駐車場に、20日、初めての仮設住宅が20戸完成しました。

広さ35平方メートルの1LDKのトレーラーハウスで、キッチンや浴室、トイレのほか、エアコンも備え付けられています。

仮設住宅への入居の希望は現時点で227件あり、家族構成などを踏まえて調整が行われ、3月上旬から今回の20戸への入居が始まります。

町では、特に被害の大きかった富来地区でさらに150戸以上を整備する計画を進めていますが、避難生活を続ける人たちからは、できるだけ早く入居したいという声があがっています。

避難所に身を寄せる東澄江さん(85)は、富来地区で60年余り暮らしてきました。

地震発生時は木造2階建ての自宅の1階の居間で1人でくつろいでいましたが、1階部分が崩れる中なんとか抜けだし無事だったということです。

今はおよそ30人が過ごす避難所の段ボールベッドのある1畳ほどのスペースが東さんの居場所ですが、仕切りがないため落ち着かず、夜は目が覚めることが多いということです。

東さんは「避難生活が続き、最近はかぜ気味で、だんだんと疲れも出てきました。住むところはもうないので、今は仮設住宅に入るのが一番の願いです。入れたとしてもその生活に慣れるかどうか不安がありますが、くよくよせずに前向きに生活していこうと思っています」と話していました。