JR九州 観光列車「SL人吉」最後の定期検査 老朽化で来月引退へ

機関車の老朽化で来月引退するJR九州の観光列車、「SL人吉」で最後の定期検査、「交番検査」が行われました。

2009年に運行を始めた「SL人吉」は、これまでに40万人以上が乗車するなど人気を集めてきましたが、完成から100年を超えた機関車の老朽化が著しく来月23日に運行を終了し、引退します。

20日は、引退を前に最後の「交番検査」が熊本市西区の「JR九州の熊本車両センター」で行われました。

整備士6人が、ハンマーで車両の下のほうのボルトをたたいて緩んでいないか音で確認する車輪の検査や、石炭を燃やした熱で蒸気を発生させるボイラーの点検を行いました。

「交番検査」は国土交通省の省令にもとづいて定期的に行われるものです。

車でいうと車検のような安全に走行するための検査で、今回は22日までの3日間、行われます。

8年間、機関士をつとめた原孝祐さんは「ついに最後がきたかという気持ちです。先輩が代々受け継いできた歴史をかみしめながら乗客の皆さんの笑顔を最後まで運び続けたいです」と話していました。

また、17年間、整備士をつとめた山田恭輔さんは「修理が大変なSL人吉は万全の状態でないとうまく走らずいちばん手がかかります。運休させることなく最後まで元気に走らせることができたらと思います」と話していました。