学術会議 任命されなかった大学教授ら 文書開示など求め提訴

4年前の、日本学術会議の会員人事をめぐり当時の菅総理大臣から任命されなかった6人の大学教授や、支援する法学者らが「拒否の理由を明らかにしないのは違法だ」として国に文書の開示などを求める訴えを起こしました。

東京地方裁判所に訴えを起こしたのは、4年前に日本学術会議の会員に任命されなかった6人の大学教授や、支援する法学者、弁護士など合わせておよそ170人です。

当時の菅総理大臣が、日本学術会議から新しい会員の候補として推薦された105人のうち6人を任命しなかったことを受け、大学教授らは内閣府などに関係する文書の情報公開請求をしましたが、任命拒否の理由や経緯が分かる文書は「存在しない」とか「円滑な人事に支障を及ぼす」などとして開示されませんでした。

これについて、大学教授らは「恣意的(しいてき)な任命拒否だったことを隠そうとしたもので、違法だ」などと主張して文書の開示や6人への賠償などを求めています。

提訴後に都内で開いた会見で、当時任命されなかった早稲田大学の岡田正則教授は「政府はどういう経緯で任命拒否の判断をしたのか国民に説明する義務がある」と話しました。

同じく任命されなかった東京慈恵会医科大学の小澤隆一教授は「学問の自由を明記した憲法、それにふさわしいものとしてつくられた学術会議で行われた任命拒否の真相を明らかにしたい」と話していました。

内閣府「コメントできない」

訴えについて内閣府は「訴状が届いていないので、コメントできない」としています。