盛岡 2月に入り“積雪なし” 除雪車出動が例年を大幅に下回る

盛岡市では2月に入って一日も積雪が観測されない状況が続いていて、盛岡市内などの国道の除雪を担う国土交通省の除雪ステーションでは、今シーズンの除雪車の出動回数が例年を大幅に下回っています。

盛岡市に隣接する滝沢市にある国土交通省の滝沢防災ステーションでは、岩手県を南北に結ぶ主要幹線道路、国道4号線の盛岡市から紫波町までのおよそ51キロの区間の除雪を担当しています。

滝沢防災ステーションでは毎日、道路に設置されている監視カメラの映像や気象状況などを確認しながら、除雪の判断をしているということですが、今シーズンの出動回数は例年を大きく下回っているということです。

特に2月は、路面の凍結などを防ぐ薬剤の散布を4日間、行ったということですが、雪を取り除く除雪車の出動は一日だけだということです。

施設には、大小合わせて6台の除雪車両が配備されていますが、19日も雪が降っていないため出動はありませんでした。

国土交通省岩手河川国道事務所盛岡西国道維持出張所の佐々木大祐 出張所長は「何日も連続で出動がないのは、なかなかない状況です。道路管理の立場からすると、雪がないのは路面も凍らず安全に走れるのでありがたいですが、ことしはその点、異常なのかなと感じます」と話していました。

盛岡市によりますと、市役所や県庁などがある市内の中心部での「一斉除雪」は今シーズン1回もないということで、この時期までに一斉除雪がないのは、手元にデータがある2018年以降では初めてだとしています。

1月27日から積雪ない日が続く

盛岡市では1月26日に3センチの積雪を観測して以来、翌日の27日から積雪のない日が続いています。

19日も雪が降らなければ24日連続となり、盛岡地方気象台によりますと、この時期、雪が積もらない日がこれだけ続いたのは記録が残る1953年以降で初めてだということです。

気象台は「ことしは冬型の気圧配置が長続きせず、一時的に上空に寒気が入って雪が降っても、その後、冬型がゆるんで気温が高くなり雨に変わっている」と説明しています。

一足早い春の訪れも

盛岡市では、積雪がなく気温も高い2月となっていますが、市内の「高松の池」の周辺ではフクジュソウのつぼみが開き始め、一足早い春の訪れを告げていました。

高松の池の周辺はランニングコースとして知られていますが、この時期としては薄着で走るランナーの姿が見られました。

ランニングしていた20代の男性は「こんなに雪のない中で走るのはことしが初めてで、驚いています」と話していました。

また、高松の池は2月の今頃は氷が張って飛来する白鳥と池の様子などを写真に収める愛好家が多く見られます。

去年2月10日の映像では、池の表面には氷が張っていて、周りに雪が積もっていましたが、19日は氷が張っておらず白鳥が優雅に泳ぐ姿が見られました。

高松公園管理事務所によりますと、例年より白鳥の飛来するピークが早まっているということです。

白鳥を撮影するために訪れた60代の男性は「もっと冬らしく氷が張ってほしい。ほとんど冬がなく春が来てしまった感じがします」と話していました。