トキは、かつて国内の広い範囲で生息していましたが、乱獲などの影響で一時、姿を消し、新潟県佐渡市で人工繁殖と野外へ放つ放鳥の取り組みが進められてきました。
環境省によりますと、国内の野生下でのトキの生息数は放鳥を始めた2008年以降増加し続けてきましたが、去年12月時点で532羽と推定され、前の年より13羽減っていて、放鳥が開始されてから初めて減少に転じました。
トキ 国内の野生下での生息数 2008年の放鳥開始以降初の減少に
国の特別天然記念物のトキは、去年12月時点の国内の野生下での生息数が532羽と推定され、前の年より13羽減り、トキの放鳥が始まった2008年以降で、初めて減少に転じました。
トキの生態に詳しい新潟大学佐渡自然共生科学センターのセンター長、永田尚志教授は「佐渡ではトキの生息数が増加した結果、繁殖地が込み入ってきて、互いに営巣を妨害しあい繁殖に失敗してしまうことなどが起きているためだ」と話しています。
一方、佐渡市以外でも今後トキの定着を目指して放鳥が行われることになっていて、環境省はトキに適した生息環境などを見極めながら放鳥場所や放鳥時期などを決定していくことにしています。