日本の化粧品 東南アジアで生産販売強化相次ぐ 中国競争激しく

日本の化粧品業界では、最大の輸出先の中国で競争が激しくなる中、人口が増加する東南アジアで生産や販売を強化する動きが相次いでいます。

このうち「ロート製薬」は、東南アジアの8か国で、気温の高さにあわせたスキンケア商品などを開発して販売を伸ばしています。

新たな生産拠点として、ベトナムの会社をおととし買収したことで、東南アジア向けの年間の生産量がおよそ3割増加し、今後は、化粧の文化が浸透していない地域でも販売を強化する方針です。

また、群馬県の新興メーカーは、大手商社の出資を受け、早ければことし夏ごろにも初の海外店舗を東南アジアなどに出店する計画です。

まずは、タイやシンガポールといった、東南アジアの中でも平均年収が比較的高い地域を中心に高価格帯の製品を販売する戦略で、日本ブランドの品質への信頼感を追い風にしたいとしています。

「OSAJI」の茂田正和社長は、「東南アジアは経済の発展に伴って、これからさらに化粧品が必要とされる市場で、日本の品質は喜んでもらえる」と話していました。

日本化粧品工業会のまとめによりますと、日本の化粧品の輸出額は、中国向けがおととしまで6年連続で最も多くなっていますが、中国では、デザイン性の高い製品を持つ現地企業などとの競争が年々激しくなっていて、さらなる成長に向け、東南アジアで競争力を高めていけるかが注目されます。