アウディーイウカ戦況 “ロシア側 局地的に制空権確保”米分析

ロシアが掌握したとするウクライナ東部の拠点、アウディーイウカでの戦況をめぐりアメリカのシンクタンクは、ロシア側が局地的に制空権を確保して地上部隊を支援した初めての作戦だったとみられるとしたうえで、ウクライナに対する欧米の支援が遅れれば、同じような作戦が各地で行われる可能性があると指摘しました。

ロシア国防省は17日、激しい攻防が続いてきたウクライナ東部ドネツク州の拠点アウディーイウカをロシア軍が完全に掌握したと、ショイグ国防相がプーチン大統領に報告したと明らかにしました。

アウディーイウカでの戦況について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は17日、ロシア軍が一時的に局地的な制空権を確保したうえで、滑空爆弾を大量に使用し、歩兵部隊に対して近くから航空支援を行っていたとみられると分析しました。

こうした作戦は初めてとみられるとしたうえで、欧米の軍事支援が遅れれば、同じような作戦が各地で行われる可能性があると指摘しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ドイツで行われた国際会議で、支援の停滞によってロシアが有利な状況にたっていると危機感をあらわにし、ウメロフ国防相もSNSで、アウディーイウカでの戦闘で学んだ教訓の1つとして、近代的な防空システムの必要性を挙げました。

アウディーイウカでの戦闘は、ウクライナにとって欧米からの軍事支援が死活的に重要だと言うことを改めて示したといえます。