ロシア国防省 “アウディーイウカの完全掌握を報告”

ロシアのショイグ国防相は激しい戦闘が続いていたウクライナ東部のアウディーイウカを完全に掌握したとして、プーチン大統領に報告しました。プーチン政権としては来月に大統領選挙が行われるのを前に、重要な成果だとして国民にアピールしたい思惑もあるとみられます。

ロシア国防省は17日、激しい戦闘が続いていたウクライナ東部のアウディーイウカについて、ロシア軍が完全に掌握したことをショイグ国防相がプーチン大統領に報告したと明らかにしました。

掌握の結果として、アウディーイウカの15キロほど南にある、ロシアが支配する州の中心都市ドネツクから前線を遠ざけることができると強調しています。

その上で、「ドネツク州の解放を進めるため攻撃を続ける」として、ドネツク州全域の掌握をねらう方針を改めて示しました。

また、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン大統領がアウディーイウカの掌握に成功したとしてロシア軍を祝福したと発表しました。

ロシア軍は去年10月ごろからアウディーイウカへの攻勢を強めていて、プーチン政権としては来月に大統領選挙が行われるのを前に、アウディーイウカの掌握をウクライナ侵攻の重要な成果だとして国民にアピールしたい思惑もあるとみられます。

一方、これに先立ち、ウクライナ軍はアウディーイウカから部隊を撤退させると発表していて、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は17日、長期間にわたってロシア側と激しい戦闘を続けてきた兵士をたたえるとともに、「アウディーイウカはいずれ取り戻す」と述べて、今後、奪還を目指す姿勢を強調しました。