【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(2月18日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる18日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

バイデン大統領 “ウクライナ支援予算案 米議会が早急に承認を”

ウクライナへの軍事支援をめぐって、最大の支援国アメリカでは追加支援に必要な予算案の議会での審議が野党・共和党の反対で暗礁に乗り上げ、支援が滞った状態が続いています。

こうした中、アメリカのホワイトハウスは、バイデン大統領が17日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談したと発表しました。

発表によりますと、バイデン大統領はロシアが攻撃を強めていた東部ドネツク州の拠点、アウディーイウカからのウクライナ軍の撤退について、「弾薬の供給が減少したことによるもので、アメリカ議会の怠慢が招いた結果だ」と議会の対応を批判したうえで、議会による予算案の早急な承認が必要だと強調したとしています。

また、バイデン大統領はロシアによる侵攻からまもなく2年になるのにあたって、アメリカが引き続き、ウクライナを支援していくことを約束したということです。

一方、ゼレンスキー大統領はSNSに、「私もアメリカ議会が賢明な判断をすると信じている」と投稿し、ウクライナ支援のための予算案が早期に承認されることに期待を示しました。

ロシア国防省 “アウディーイウカの完全掌握を報告”

ロシア国防省は17日、激しい戦闘が続いていたウクライナ東部のアウディーイウカについて、ロシア軍が完全に掌握したことをショイグ国防相がプーチン大統領に報告したと明らかにしました。

掌握の結果として、アウディーイウカの15キロほど南にある、ロシアが支配する州の中心都市ドネツクから前線を遠ざけることができると強調しています。

その上で、「ドネツク州の解放を進めるため攻撃を続ける」として、ドネツク州全域の掌握をねらう方針を改めて示しました。

また、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン大統領がアウディーイウカの掌握に成功したとしてロシア軍を祝福したと発表しました。

ロシア軍は去年10月ごろからアウディーイウカへの攻勢を強めていて、プーチン政権としては来月に大統領選挙が行われるのを前に、アウディーイウカの掌握をウクライナ侵攻の重要な成果だとして国民にアピールしたい思惑もあるとみられます。

ウクライナ軍 アウディーイウカからの撤退進める

ウクライナ軍はロシア側との間で長く攻防が続いてきた東部の激戦地アウディーイウカからの撤退を進め、シルスキー総司令官は「いずれ取り戻す」と今後、奪還を目指す姿勢を強調しました。

ウクライナ軍は17日未明、ロシア側から包囲される懸念のあった東部ドネツク州の拠点アウディーイウカから部隊を撤退させると発表しました。

ドネツク州周辺の部隊の指揮を執るタルナウスキー司令官は17日、SNSで、「撤退は計画に基づいて行われたが、圧倒的な敵戦力に押され、最終段階で若干の兵士が捕虜になった」と発表し、撤退が完了に近づいていることを示唆するとともに、捕虜の人道的な扱いを求めました。

また、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は17日、SNSで、「敵の人員や装備品に大きな損害を与えた」として、長期間にわたってロシア側と激しい戦闘を続けてきた兵士をたたえるとともに、「アウディーイウカはいずれ取り戻す」と述べて、今後、奪還を目指す姿勢を強調しました。

ロシア極東で愛国心示す集会

ロシアがウクライナヘの軍事侵攻を始めてからまもなく2年になるのにあわせて、ロシア極東のサハリン州では17日、愛国心や軍への支持を示そうという集会が開かれました。

この集会はサハリン州南部のコルサコフで、地元の有志らが企画したもので、ロシアの国旗などをつけた数百台の車が隊列を組んでおよそ3キロにわたって進みました。

車には「作戦を完遂する」とか、「兵士のことを忘れることはない」などと書かれた旗や横断幕が掲げられ、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍への支持をアピールしていました。

車列が近郊の飛行場に集まると、家族連れなどおよそ1000人が写真撮影をしたり、ロシア軍の兵士がふるまう食事を口にしたりしていました。

また、集会にはロシア軍の車両も参加し、軍事侵攻が長期化する中で、政権側が国民の愛国心に訴え、侵攻への支持を取り付けたいねらいもあるとみられます。

参加者の中には家族がウクライナに派兵されている人もいて、戦闘で死亡した夫の遺影を掲げた女性は「夫が恐れることなく、自分の義務を果たしにウクライナに行ったことを誇りに思います。彼の名誉のために、夫の写真を持って参加しました」と話していました。

ゼレンスキー大統領 人命を重視したと強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ミュンヘン安全保障会議で、東部ドネツク州の拠点アウディーイウカからのウクライナ軍の部隊の撤退について、「多くのウクライナ人の命を救うというプロフェッショナルな決断だ」と述べ、人命を重視した結果だと強調しました。

一方、「ロシア軍は去年10月以降、あらゆる軍事力を動員してアウディーイウカを攻撃していた。多くの兵士が死亡し、軍を消耗させた」と述べ、ロシアは自国の部隊の人命も軽視し、侵略を続けていると主張しました。