【詳細2月18日】ラファ地上作戦めぐり各国から懸念の声

イスラエル軍が強行する構えを見せているガザ地区南部のラファへの地上作戦をめぐり、EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は「すでに壊滅的な人道危機が起きているラファに軍事行動を行わないよう求める」と声明を出しました。

ガザ地区への攻撃を続けるイスラエル軍はイスラム組織ハマスを壊滅させるためとして、ガザの最も南にあり、住民の避難先として140万人以上が避難するラファへの地上作戦を計画しています。

これに対し、各国からは重大な懸念の声が出ていて、EUのボレル上級代表も17日、「すでに壊滅的な人道危機が起きているラファに軍事行動を行わないようイスラエルに求める」とSNSに声明を出しました。

また、国際的な人権団体やNGOも共同で声明を出していて、「ラファでの悲惨な事態にがく然としている。もし、イスラエルが地上攻撃を開始すれば、さらに数千人の市民が犠牲になるだろう」として、国際社会はイスラエル軍の地上作戦を止めなければならないと強く訴えています。

住民の多くはイスラエル軍の攻撃から逃げるため、ガザの北部や中部から避難を繰り返し、最後の避難場所としてようやくラファにたどりついた人たちです。

北部のガザ市から家族とともにラファに避難してきたという男性は、食料や水も不足し、寒さのなかで厳しいテント生活を続けていて、家族の安全だけを願っているが、ガザにはどこにも安全な場所はないと話しているということです。

イスラエル軍がラファへの空爆を続け、地上作戦を強行する姿勢を強めるなか、国際社会から懸念の声が高まっています。

G7外相も「深い懸念を表明」

また、ドイツで外相会合を行ったG7は17日、議長声明を発表し、「イスラエルがラファで大規模な軍事作戦を行った場合、市民が壊滅的な被害を受けるおそれがある。深い懸念を表明する」としています。

ネタニヤフ首相 地上作戦を進める考え改めて強調

イスラエルのネタニヤフ首相はガザ地区の住民140万人以上が避難する南部ラファへの地上作戦について、「われわれの作戦を止めようとするものは、戦争に負けろと言っているのと同じことだ」と述べ、国際社会から懸念の声が相次ぐ中でも、作戦を進める考えを改めて強調しました。