石川 輪島 地元NPOがボランティア受け入れ 独自に宿泊先を提供

石川県輪島市では、復旧に向けてボランティアの受け入れ態勢の構築が課題となっていますが、地元のNPOの中には、独自に宿泊先を提供し、受け入れを始めたところがあります。

輪島市では2月10日からボランティアの受け入れが始まりましたが、大規模な断水が続き、宿泊できる施設も少なく、金沢市からバスで日帰りとなるため、活動時間は一日数時間に限られています。

このため、地元のNPO法人「輪島朝市」は、倉庫として使われていた2階建ての建物を宿泊先として提供し、1月末からボランティアの受け入れを行っています。

17日は、「朝市通り」にある老舗の菓子店で、この宿泊先を利用したボランティアの3人が店のスタッフらと一緒に、屋根が抜け落ちた倉庫から、菓子用の包装紙などを屋根がある部屋まで移動させました。

NPOでは新たな宿泊先を整備して受け入れ人数を増やしたいとしています。

この建物に宿泊しながら活動する神奈川県の男子大学生は「野宿に近く、暖房もないだろうと想定していたのですが、電気は通っているのでそれほど困ることはなく、片づけに専念できています」と話していました。

NPO法人「輪島朝市」の中浦政克理事は「宿泊していただくことで、活動の幅が広がりました。今後も宿になりそうな場所を探して宿泊ボランティアを増やしていければと思います」と話していました。

珠洲市 キャンプ場に泊まって活動する人も

一方、石川県珠洲市では、大学生たちが17日からキャンプ場に泊まり、津波で流されたがれきの片づけを行っています。

珠洲市内では宿泊できる場所が限られ、ボランティア活動は県が手配したバスで金沢市から日帰りする必要があるため、現地での活動時間の短さが課題となっています。

この中で、金沢大学の学生とキャンプ場の常連客は、17日から週末を利用して珠洲市のキャンプ場に泊まり、1泊2日でボランティア活動を行っています。

初日の17日は、宿泊用のテントを設営した上で海岸に向かい、津波で流され海岸に漂着した木やプラスチックなどのがれきを分別しながら袋に入れて片づけていました。

学生たちは、18日も海岸で片づけをするほか、避難所で被災者にコーヒーを提供する活動も行うということです。

男子学生は「こんなにきれいな場所が崩れてしまって残念ですが、今後もこういうボランティア活動に参加したい」と話していました。

キャンプ場を営む濱野達也さん(52)は「ボランティアの方が来てくれることで、1人、2人でやるよりもスピードが上がり、気持ちも楽になるので助かります」と話していました。

キャンプ場では水道が復旧していないなどの状況を踏まえ、宿泊環境の整備などをみずから行える人に限ってボランティアを受け入れているということです。