ウクライナ軍 東部アウディーイウカ撤退へ ロシアが攻撃強める

ウクライナ軍の新たな総司令官に就任したシルスキー氏は17日、ロシア軍が攻撃を強めている東部ドネツク州アウディーイウカから部隊を撤退させるとSNSで発表しました。ロシア軍による包囲と兵士の犠牲を避けるためだとしています。

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は17日、ロシア軍が攻撃を強めていたアウディーイウカについて「包囲を避け、兵士の命を守るため、部隊を撤退させ、より優位な戦線の防衛に移る」とし、部隊を撤退させると発表しました。

シルスキー総司令官は、14日にアウディーイウカなどの前線を視察したと明らかにした際、ロシア軍が人海戦術を仕掛けていて「極めて困難な状況になっている」とし、アメリカ・ホワイトハウスで安全保障分野の広報を担当するカービー大統領補佐官は15日「アウディーイウカはロシアの支配下に入るおそれがある」と指摘していました。

アウディーイウカは、東部ドネツク州の中心都市ドネツクの15キロほど北に位置する工業都市で、州全域の掌握をねらうロシア軍は去年10月ごろから多くの部隊を投入し、兵士の犠牲をいとわずに攻撃を強めていました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は15日、ロシアのプーチン政権は来月の大統領選挙を前にアウディーイウカの掌握をドネツク州での重要な勝利だと国民に向けてアピールするねらいがあると指摘していて、ロシアが州全域の掌握をねらうなか、戦果として強調していくものとみられます。