米国務長官 中国外相と会談 “ロシア支援している”懸念伝える

アメリカのブリンケン国務長官は、訪問先のドイツで、中国の王毅外相と会談し、中国がウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアを支援しているとして懸念を伝えました。

アメリカのブリンケン国務長官と中国の王毅外相は16日、ドイツ南部のミュンヘンで開かれている安全保障に関する国際会議にあわせて会談しました。

アメリカ国務省の発表によりますと、会談で、ブリンケン長官は、中国がロシアの防衛産業をはじめ、ウクライナへの侵攻を続けるロシアを支援しているとして、懸念を伝えたとしています。

また、ブリンケン長官は、台湾海峡と南シナ海の平和と安定を維持することや、去年11月の米中首脳会談で再開させることで合意した軍どうしの対話をさらに前に進めることの重要性を強調したとしています。

このほか両外相は、中東や朝鮮半島の情勢についても意見を交わしたとしています。

米中関係をめぐって、アメリカ政府高官は、ことし春にも両首脳による電話会談が行われるという見通しを示しています。

会談で両外相は、さまざまな戦略的問題において米中が開かれた対話のルートを維持する重要性を確認したとしていて、首脳会談に向けた調整も行われたとみられます。

王毅外相 台湾関与や中国企業などへの制裁で米をけん制

中国外務省によりますと、王毅外相はアメリカのブリンケン国務長官との会談で「世界には1つの中国しかなく、台湾は中国の領土の一部であることが台湾問題の真の現状だ。この現状を変えようとしているのは『台湾独立』の分裂活動と外部勢力の容認と支持だ」と強調し、台湾に対して安全保障上の関与を続けるアメリカをけん制しました。

また王外相は「『中国へのデカップリング』は最終的にはアメリカ自身にとって裏目に出るだろう」と述べたうえでアメリカ側に対し中国企業や個人に対する制裁の解除を求めました。