【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(2月17日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる17日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領「ロシアによるあらゆるルールに対する戦争」

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、日本時間の午後5時半すぎ、40か国以上の首脳や100人以上の閣僚が参加して開かれているミュンヘン安全保障会議で演説しました。

この中でゼレンスキー大統領は「残念ながら、ウクライナは長距離火力が不足しているため、プーチンの激しい攻撃を許してしまっている」と述べました。

その上で、「これはロシアによる、あらゆるルールに対する戦争だ。ウクライナに『戦争はいつ終わるのか』と尋ねないでほしい。むしろ、『なぜ、プーチンは戦争を続けることができるのか』と自問してほしい」と述べ、各国に対し、支援の継続を直接、訴えました。

これに先立って、ドイツのショルツ首相も演説し、「ロシアの脅威は現実のものだ。われわれヨーロッパはわれわれ自身の安全保障に対処しなければならない」と述べるとともに、欧米の結束を呼びかけました。

ロシアの軍事侵攻が始まってまもなく2年となるなか、アメリカ国防総省の高官は、ウクライナ軍が撤退を強いられることになったアウディーイウカ以外の前線でも重要な弾薬が不足していると指摘しています。

さらに、最大の軍事支援国のアメリカは野党・共和党の反対で、追加支援の見通しが立たない状況が続いています。

ミュンヘン安全保障会議は2日目の17日は、中国の王毅外相が演説するほか、アメリカのブリンケン国務長官やドイツのベアボック外相なども参加して、安全保障をめぐって意見を交わす予定です。

ウクライナ軍総司令官 アウディーイウカからの撤退を発表

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は17日、長く攻防が続いてきた東部アウディーイウカについて、「包囲を避け、兵士の命を守るため、部隊を撤退させ、より優位な戦線の防衛に移る」とし、部隊を撤退させると発表しました。

アウディーイウカはドネツク州の中心都市ドネツクの15キロほど北に位置する工業都市で、州全域の掌握をねらうロシア軍は去年10月ごろから多くの部隊を投入し、兵士の犠牲をいとわずに攻撃を強めていました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は16日、アウディーイウカとその周辺でのロシア軍の進軍の速度は引き続き、遅いままだとして、ウクライナ軍の撤退は比較的秩序だって行われていると分析しています。

そのうえで、ロシア側はウクライナ軍の撤退に対し、激しい攻撃を仕掛ける可能性があるとして、ウクライナ軍はこうした攻撃に応じながらの撤退を余儀なくされると指摘しています。

ナワリヌイ氏死亡で政権批判相次ぐ ロシア「受け入れられない」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、ナワリヌイ氏の死亡の発表を受けて欧米各国からプーチン政権に対する批判が相次いでいることについて、「死因についての情報もないなかで、このような声明が出されている。明らかにおかしく、絶対に受け入れられない」と述べ、反発しました。

フランスとウクライナ 安保協定を締結 最大30億ユーロ軍事支援へ

フランスのマクロン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は16日、パリで首脳会談を行い、ウクライナの長期的な安全を確保するための2国間の安全保障協定に署名しました。

協定では防空能力や砲撃能力の強化、ウクライナ軍部隊への訓練の実施、NATO=北大西洋条約機構の加盟国との相互の運用性の強化などを目的に、ことし中に最大で30億ユーロ、日本円にしておよそ4838億円の追加の軍事支援を行うとしています。

この協定は去年7月のG7=主要7か国の共同宣言に基づいて、各国が個別にウクライナと締結しているもので、フランスはイギリスとドイツに続いて3番目の締結国となりました。

ウクライナ軍 東部アウディーイウカから部隊撤退へ

ウクライナ軍の新たな総司令官に就任したシルスキー氏は17日、ロシア軍が攻撃を強めている東部アウディーイウカから部隊を撤退させるとSNSで発表しました。

ロシア軍による包囲と兵士の犠牲を避けるためだとしています。

シルスキー総司令官は14日、アウディーイウカなどの前線を視察したと明らかにし、「極めて困難な状況になっている」と指摘した上で、徹底抗戦する構えを示していました。

アウディーイウカはウクライナ側が重要な防衛拠点としていて、ロシア軍が東部ドネツク州の全域掌握をねらって去年10月ごろから多くの部隊を投入し攻勢を強めていました。