イスラエル軍 ガザ地区病院での作戦継続 “戦闘員約70人拘束”

イスラエル軍は、イスラム組織ハマスの戦闘員が活動しているなどとして、ガザ地区南部ハンユニスにある病院での作戦を16日も続け、戦闘員およそ70人を拘束したとしています。ガザ地区の保健当局は、この作戦で病院の患者5人が死亡したとしていて、住民の犠牲も増え続けています。

イスラエル軍は、南部ハンユニスにあり、多くの住民が避難しているナセル病院に15日に突入し、ハマスの戦闘員や人質の遺体を捜索するとして、16日も病院内での作戦を続けました。

イスラエルのガラント国防相は16日記者団に対し「およそ70人のテロリストを拘束した」と述べ作戦の成果を強調しました。

イスラエル軍は、病院での患者の治療が続けられるよう必要な資材を提供していると主張していますが、ガザ地区の保健当局によりますと酸素の供給を受けられなかったなどとして、患者5人が死亡したということです。

ガザ地区の保健当局は16日、過去24時間に112人が死亡しこれまでの死者は2万8775人にのぼったとしていて、住民の犠牲は増え続けています。

一方、16日には、イスラエル南部の町にある幹線道路沿いのバス停で、男が銃を乱射し、イスラエルメディアは、2人が死亡し、4人がけがをしたと伝えています。

一部のメディアは、犯人は、パレスチナ人が多く住む東エルサレムの難民キャンプに住む男だと伝えていて、ハマスは「ガザ地区でイスラエル軍が行っている戦争に対する、当然の反応だ」とする声明を出しました。

これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は16日の声明で、イスラエル人に対するテロ事件だと非難したうえで「すべての国民の安全を取り戻すまで、戦い続ける」と述べ、ガザ地区での軍事作戦を強硬に進める姿勢を改めて示しました。