珠洲の総合病院 職員が病院や避難所に寝泊まり 厳しい状況続く

能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市で唯一の総合病院では、地震から1か月半がたつ今も、職員が病院や避難所に寝泊まりして地域医療を支える厳しい状況が続いています。

「珠洲市総合病院」では地震の直前におよそ270人いた職員のうちこれまでに1割余りが辞めたほか、自宅が被災し病棟や避難所で寝泊まりを続けている人もおよそ60人いて、厳しい状況が続いています。

中でも、およそ20人いた医療事務のスタッフのうち半数が退職していて、ふだんの診療に制限が出ているということです。

浜田秀剛病院長は、「事務職を補充したいのですが、長期間働いてもらうことを考えると今は住める場所がないので、募集が難航している状況です。新たな住宅の整備や水道の復旧を待つしかありません」と苦悩しています。

この病院では医療体制を維持するため、1月、およそ230人の入院患者を別の病院に受け入れてもらいました。

一方で、2月1日からは内科や外科など7つの診療科で一般外来の診療を再開したほか、15日からは眼科も再開しています。

薬をもらいに来たという70代の男性は「持病があるので、病院が開いていてありがたいです」と話していました。

浜田病院長は「厳しい環境ですが、何が何でも継続していかなければならないと思っています。地域のみなさんに安心してもらえるよう全力を尽くしていきます」と話しています。