インフルエンザ 増加傾向続く 新型コロナは前週より患者数減少

全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、2月11日までの1週間で1医療機関あたり23.93人と、前の週よりも1.31人増えました。福岡県など7つの府県で「警報レベル」の30人を超えているほか32の都道県で前の週より増加しています。

また、新型コロナウイルスの全国の感染状況は、2月11日までの1週間では1つの医療機関あたりの平均の患者数が13.75人で、前の週の0.85倍になりました。

それぞれの詳しい状況を見ていきます。

インフルエンザ 1医療機関当たり患者数 前週より増加

国立感染症研究所などによりますと2月11日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は11万7652人で、1医療機関あたりでは23.93人と前の週よりも1.31人増えました。

データをもとに推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ75万6000人となり、去年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数はおよそ1433万8000人と推計されています。

1医療機関あたりの患者数を都道府県別にみますと福岡県が最も多く56.48人で、佐賀県が38.15人、熊本県が34.83人などと7つの府県で「警報レベル」の30人を超えました。

このほか大阪府が29.56人、愛知県が29.55人、東京都が22.83人などと37の都道府県で10人を超える「注意報レベル」となっています。

前の週と比べると青森県で1.55倍、北海道で1.46倍、石川県で1.39倍などと、32の都道県で増えていて、全国的に増加傾向が続いています。

新型コロナ 1医療機関当たりの患者数は減少も注視必要

厚生労働省によりますと、2月11日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から1万1991人減って6万7614人となりました。

また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は13.75人で前の週の0.85倍になりました。

都道府県別では多い順に石川県が21.91人愛知県が20.06人群馬県が19.89人茨城県が19.7人福島県が19.18人などとなっていて、41の県で前の週より減少しました。

このうち石川県は、能登半島地震の影響で、新型コロナの患者数を報告することになっている48の医療機関のうち、能登北部の2か所からの報告は含まれませんが、高い水準となっています。

また、2月11日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は3257人で、前の週と比べて204人の減少でした。

厚生労働省は全国の流行状況について「11月中旬以降、初めて減少に転じ、都道府県ごとに見ても大半の県で減少となったがこの傾向が続くかは注視が必要だ。今後も感染対策を続けてほしい」としています。

「引き続き予防対策の徹底を」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「インフルエンザは『B型』のウイルスの広がりで患者数が増加しているものの、ペースが緩やかになってきており、そろそろピークを迎えるのではないか。ただ、今後もしばらくは拡大する可能性があるので、手洗いや換気の徹底など予防対策を続けていく必要がある」と話しています。

新型コロナウイルスの流行状況について「患者数を見るかぎりはピークを迎えた可能性はあるが、年齢を見ると重症化しやすい高齢者では下がり方が緩やかで、引き続き注意が必要だ」とした上で、オミクロン株の1種で従来のウイルスよりも感染力がやや高く過去の感染やワクチンによる免疫を逃れる能力が高い『JN.1』という変異ウイルスが広がっていることなどから「ピークを迎えたかどうかはあと1、2週間ほど傾向を見ていく必要がある」警戒を呼びかけています。

その上で、「流行が続いている間は予防対策を強めに行ってほしい。手洗いや換気をこまめに行うほか、体調が悪い場合はウイルスに感染している可能性があると考えて自宅で療養し、高齢の方や症状が長引いている人は早めに医療機関を受診してほしい」と話していました。