衆院 政倫審の幹事懇談会 野党側は関係議員の出席 求める方針

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、16日午後、衆議院政治倫理審査会の幹事懇談会が開かれます。野党側は、安倍派と二階派の関係議員を審査会に出席させるよう求める方針で、還付金などが確認された議員全員を対象とする案も出ています。

今回の問題を受けて国会では、16日午後1時半から衆議院政治倫理審査会の幹事懇談会が開かれます。

これに先立って、与党側は、自民党の田中和徳審査会長と与党側の幹事らが国会内で打ち合わせを行いました。

幹事懇談会で、野党側は安倍派と二階派の関係議員を審査会に出席させるよう求める方針で、還付金などが確認された議員全員を対象とする案も出ています。

これに対し自民党は、新年度予算案の年度内成立に向けて、野党側の協力を得ようと審査会の開催を検討していて、幹事懇談会での野党側の要求も踏まえ、党内の調整を進めることにしています。

野党内には、審査会の開催が確約されなければ、予算案の審議には応じるべきではないという意見もあり、与野党の攻防が激しくなる見通しです。

立民 泉代表「当然全部公開すべき」

立憲民主党の泉代表は、16日午後、東京都内で講演し「自民党の聴き取り調査は、全容把握には程遠い。政権の正当性に関わる問題で、重大なルール違反だという認識をもっと持つべきだ。これだけ違法行為がまん延していた組織はルール違反で退場させなければならない」と述べました。

そのうえで、政治倫理審査会のあり方について「当然、全部公開すべきだと思うが、自民党側は妨害し続けており、どこまで公開性のあるものになるかだ。参議院の審査会は野党側で開催の申し立てに必要な3分の1以上のメンバーがいるので、来週、何らかの形で開くことを目指している」と述べました。

公明 石井幹事長「しっかり調整を」

公明党の石井幹事長は記者会見で「自民党の中で政治倫理審査会を開催する方向で調整されていると承知しており、しっかり調整していただきたい。当該議員の『出席しよう』という前向きな意思がなければ成立しないので、自民党内の調整状況を見守っている段階だ。出席する議員にはなるべくしっかりと説明していただきたい」と述べました。

国民 榛葉幹事長「お手盛り調査と言われてもしかたない」

国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「自民党の聴き取り結果を見たが、還付金などの手法について、いつから誰がどのように始めたのかという最も大切なことが明らかになっていない。お手盛り調査と言われてもしかたなく、自分たちで聴き取りをする限界を感じた。大切な審議時間を政治とカネの問題に費やしていることは悲しく、政治倫理審査会をさっさと開いて説明してもらいたい」と述べました。

林官房長官「国民が不公平感を抱くことのないよう」

林官房長官は記者会見で、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて収支報告書への不記載分が課税対象にならないことに納税者から批判が出ていることについて問われ「税制は国民の理解と信頼の上に成り立っており、適正な申告・納税を行った国民が不公平感を抱くことのないよう取り組むことが重要だ。国税当局でも納税者からの相談を含め真摯に対応していきたい」と述べました。

岸田首相 自民 麻生副総裁 茂木幹事長と会談

岸田総理大臣は、16日午後、国会近くのホテルで自民党の麻生副総裁、茂木幹事長と会談しました。

政治倫理審査会を含め、今後の国会対応などについて意見を交わしたものとみられます。

自民党 二階元幹事長の事務所「法令などにのっとり対応する」

自民党の二階元幹事長の事務所は、報道各社が衆議院政治倫理審査会への対応を質問したのに対し「仮定の質問なので回答は差し控える。いずれにしても法令などにのっとり対応する」というコメントを出しました。