飯塚事件 2度目の再審申し立て非公開審理終了 4月以降に決定か

32年前、福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、すでに死刑が執行された元死刑囚の家族が裁判のやり直しを求めている2度目の申し立ては、15日で非公開の審理が終了し、弁護団によりますと裁判所は再審を認めるかどうかの決定を、ことし4月以降に出す見通しを明らかにしたということです。

1992年、福岡県飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われ、一貫して無罪を主張していた久間三千年元死刑囚(70)の死刑が確定し、2008年に執行されました。

元死刑囚の家族は3年前の7月、再審=裁判のやり直しを求める2度目の申し立てを行っています。

弁護団によりますとこれまでの非公開の審理で
▽事件当日、元死刑囚の車と似た軽乗用車を元死刑囚ではない男が運転し、後部座席に2人の女の子が乗っているのを目撃したという、男性への証人尋問に加え
▽確定した判決で事件当日、最後に女の子2人を見たとされている女性の証人尋問が行われたということです。

この中で女性は当時、警察官の誘導などによって記憶と異なる調書が作成されたなどと証言したということです。

弁護団は当時の女性の証言には信用性がないことを明らかに示す、新たな証拠にあたると主張しています。

弁護団によりますと審理は15日ですべて終わり、福岡地方裁判所は、再審を認めるかどうかの決定をことし4月以降に出す見通しを明らかにしたということです。

弁護士「真実が見えてきた」

弁護団の徳田靖之弁護士は「久間さんを犯人とする1審判決の証拠構造は総崩れになっていると考えて、きょうは審理趣旨の説明を行いました。証人尋問などが行われ、真実が見えてきたと感じています」と話していました。