国連総会議長 “ロシアに対し 国際社会の総意 示し続ける”

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2年となるのを前に、国連総会のフランシス議長がNHKの取材に応じ、国際秩序を守るため、ロシアに対して軍事侵攻の中止を求める総会決議などを通じて、国際社会の総意を示し続ける重要性を強調しました。

日本を訪れている国連総会のデニス・フランシス議長は15日、都内でNHKのインタビューに応じました。

このなかで安全保障理事会の常任理事国のロシアが2年にわたってウクライナへの軍事侵攻を続けていることに対して、国連総会でたびたび非難決議が採択されてきたことに触れ「国連総会ではロシアの侵略が国連憲章違反だとする声が圧倒的に多く、直ちにやめるべきだと訴え続けている。ロシアがそれに耳を傾ける日がやってくると信じている」と述べ、軍事行動の中止を求める総会決議などを通じて、国際社会の総意を示し続ける重要性を強調しました。

また、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くガザ地区の状況について「水も食料もほとんどないような苦痛を人間が経験することは許されない。支援を届けるには一刻も早く停戦を実現することが欠かせない」と述べ、人道支援を届けるため停戦の実現に向けて国際社会が連携する必要性を訴えました。

さらに、みずからが気候変動の影響を受けるカリブ海の島国、トリニダード・トバゴの出身のフランシス議長は「気候変動の危険性は誰もが理解している。各国が協力していく決断をしなければならない」と述べ、国際社会の分断が深まる中でも、各国が共通の課題となっている気候変動の分野で協力していく強い意志を持つべきだと訴えました。