セキュリティークリアランス制度の創設めぐり 経団連が提言

経済安全保障上、重要な情報にアクセスできる人を、国が信頼性を確認した人に限定する「セキュリティークリアランス」制度の創設をめぐって、経団連は、企業活動を阻害しないよう対象となる情報を限定し、個人のプライバシーにも配慮するよう求める提言をまとめました。

セキュリティークリアランス制度は、サイバー攻撃や物資の供給網に関するものなど、経済安全保障上、重要な国の情報にアクセスできる人を民間企業の従業員を含めて、信頼性を確認し、認めた人に限るもので、政府は、今の通常国会に制度の創設に必要な法案を提出する方針です。

こうした中、経団連は制度に対する提言をまとめ、15日、外交委員会の片野坂真哉委員長と大林剛郎委員長が高市経済安全保障担当大臣に提言書を手渡しました。

提言では、企業の自由な活動を阻害しないよう、対象とする情報は、国が厳格に保全すべきものに限定するとともに、国が個人の信頼性を確認する際は、プライバシーに十分配慮するよう求めています。

また、防衛や外交など特に秘匿が必要な情報が対象の「特定秘密」の制度とも統一的な運用を図るべきだとしています。

経団連の片野坂委員長は「セキュリティークリアランス制度の政府案は、全体的に支持できるが、国際的にも通用する実効的な制度にし、企業の予見可能性が高まるようにしてほしい」と述べました。