旧統一教会被害者救済法 専門家会議で基準案 教団の指定検討へ

旧統一教会の被害者救済をめぐり、指定を受けた宗教法人の資産状況を把握できる法律が施行されたことを受け、文部科学省は専門家会議を開き具体的な基準の案を示しました。15日にも正式に決定した上で、教団が指定の対象となるか検討を始める方針です。

去年12月に成立した法律では、法令違反などで国などが裁判所に解散命令を請求した法人のうち、被害者が相当多数と見込まれる法人を「指定宗教法人」とし、不動産を処分する前の届け出を義務づけることや、財産を隠すおそれなどがある法人を「特別指定宗教法人」とし、被害者が財産目録を閲覧できるようにすることなどが盛り込まれました。

文部科学省は、指定する際の具体的な基準の案を作成し、パブリックコメントを行っていましたが、15日、専門家会議を開き宗教団体の幹部や学識者などから意見を求めました。

審議は非公開で行われましたが、数十人程度の被害者がいれば「指定宗教法人」の対象とし、財産を海外に移転させたり不動産を金銭に換えたりする行為などがみられる場合は「特別指定宗教法人」の対象とするとした基準案が示され、全会一致で「適当」とされたということです。

一方、運用にあたっては「信教の自由に配慮する必要がある」という意見も出されたとしています。

パブリックコメントには3575件の意見が寄せられ「被害者」の定義などがあいまいだとして反対する意見の一方、旧統一教会への迅速な対応を期待する意見もあったということです。

文部科学省は専門家会議の意見を踏まえ15日にも基準を正式に決定した上で、旧統一教会が指定の対象となるか速やかに検討を始める方針です。