自民 政治倫理審査会の開催検討 安倍派5人衆の1人は出席に難色

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて自民党は野党の求めも踏まえ政治倫理審査会の開催を検討しています。

今のところ出席の意向を明らかにしている議員がいないことから、党内で調整が行われる見通しです。

国会は14日、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、衆議院予算委員会で集中審議が行われ、野党側は、政治倫理審査会に安倍派と二階派の幹部らを出席させるよう求めました。

これに対し岸田総理大臣は「党として説明責任を果たすことが大事で、関係者に働きかけている。ただ具体的な国会での議論のあり方は国会の判断を仰がなければならない」と述べました。

野党側は立憲民主党の安住国会対策委員長が「岸田総理大臣は審査会に関係者を出席させるのか、そろそろリーダーシップを示してほしい」と述べるなど、引き続き審査会の開催を強く求めていく方針です。

一方、自民党は、新年度予算案の年度内成立を確実にするため再来週、衆議院で採決を行いたいとしていて、野党側の協力を得ようと審査会の開催を検討しています。

また、森山総務会長らが安倍派や二階派の関係議員などに行った聴き取りの結果を15日、野党に示した上で公表することにしています。

こうした状況を踏まえ衆議院の審査会は16日、幹事懇談会を開き、開催するかどうかなどをめぐって意見を交わすことにしています。

ただ、安倍派の幹部を務めた「5人衆」と呼ばれる議員の1人は「出席しなければならない合理的な理由がない」と周辺に難色を示すなど、今のところ出席の意向を明らかにしている議員がいないことから、自民党内で調整が行われる見通しです。

「5人衆」の1人 萩生田氏は

安倍派の幹部を務めた「5人衆」と呼ばれる議員の1人の萩生田 前政務調査会長は党本部で記者団に対し「現時点で正式な話は聞いていないが、私自身の対応はすでに党に委ねている。党による聴き取りの段階で『国会審議の妨げにならないようにできることは何でもする』と申し上げた」と述べました。

その上で「国会などでは『5人衆』とか『幹部』というくくりになっているが、どういう話をする必要があり、私が話せることなのか。出席要請の明確な基準が公表され、その対象になるのであれば出席を拒むものではない」と述べました。

岸田首相 党本部で麻生氏や茂木氏らと会談

また岸田総理大臣は15日午前、自民党本部で、麻生副総裁や茂木幹事長、森山総務会長ら執行部のメンバー7人と1時間近く会談しました。

この中では、野党側が安倍派と二階派の幹部らを政治倫理審査会に出席させるよう求めていることをめぐって意見を交わし、岸田総理大臣は、党として説明責任を果たすことが大事だとする一方、国会での議論のあり方は国会の判断を仰がなければならないなどとした、これまでの国会答弁の趣旨などを説明しました。

また森山氏は、今回の問題を受けて安倍派や二階派の関係議員などへの聴き取りの結果の概要を報告し、15日夕方、野党側に示し公表することを説明しました。

公明 山口代表“自民の対応十分できていない もう一段努力を”

公明党の山口代表は党の中央幹事会で「国民の厳しい目に対する自民党側の対応が十分にできていないのが現状ではないか。もう一段の努力を促し、しっかりと国民の信頼を取り戻したい。いろいろな理由や状況を述べてみても、最終的に国民の信頼を取り戻すことができる結果が重要だ」と述べました。

また、北側副代表は記者会見で「自民党は政治倫理審査会を開く方向で党内の調整を進めているのだろうと認識している。説明責任を果たす場として、政治倫理審査会という機関があるので、そこでしかるべき方にしっかりと説明をしていただくということはあるだろう」と述べました。