【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(2月15日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる15日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領「次の米大統領 バイデン氏の方が好ましい」

ロシア大統領府は14日、プーチン大統領が国営テレビのインタビューに応じた内容を公開しました。

この中で、次のアメリカ大統領についてバイデン大統領とトランプ前大統領のどちらがいいと思うか質問されたのに対し「バイデン氏だ。より経験が豊富で予測可能な人物だ」などと評価し、バイデン氏のほうが好ましいという考えを示しました。

また、アメリカでバイデン大統領の記憶力や健康状態が取り沙汰されていることについてプーチン大統領は、「医者ではないのでコメントするのは適切ではない」などと述べました。

バイデン大統領は、ことし秋に大統領選挙を控える中で、ウクライナ侵攻を続けるプーチン大統領について「独裁者を勝たせることはしない」などと述べ、激しく批判しています。

一方、トランプ氏は、バイデン政権によるウクライナ支援を批判し、ロシアにとっては有利になるという見方が出ています。

プーチン氏としては、好ましいアメリカ大統領として「トランプ氏だ」と答えると、バイデン氏の支持層がより結束しトランプ氏に不利になると見た可能性もあり、発言の真意をめぐって臆測を呼びそうです。

ウクライナ各地に大規模なミサイル攻撃

ウクライナでは14日夜から15日朝にかけて、ロシアによる大規模なミサイル攻撃が続き、各地で死傷者や建物の被害が伝えられています。

ウクライナ空軍は15日、ロシア軍が短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルなどあわせて26発を発射し、このうち13発を撃墜したと発表しました。

攻撃に伴い全土に防空警報が出され、各地の当局の発表によりますと、東部ハルキウ州では住宅が破壊されて60代の女性が死亡したほか、西部のリビウや南部のザポリージャでもけが人が出たということです。

また、東部ドニプロペトロウシク州でもインフラの損壊が伝えられるなど、広い範囲で被害の情報が相次いでいます。

ハルキウ州では、14日夕方もロシアとの国境近くの町で2階建ての集合住宅にロシアのミサイルが着弾し、地元の捜査当局は男女4人が死亡したとしています。

キム総書記 軍需工場を視察 ロシアへのさらなる武器供与 念頭か

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が重要な軍需工場を視察し、生産工程などを確認したと、15日に伝えました。

公開された画像では、キム総書記は大量に並んだ金属製の筒を確認していて、複数の韓国メディアは形状から砲弾を生産する工場とみられると伝えています。

キム総書記は視察のなかで生産能力の拡大を指示し、「軍需品の生産で飛躍的な革新をもたらすべきだ」と強調したということです。

また、軍需品の生産や輸出などを担う「第2経済委員会」に重要な新計画を示したとしています。

北朝鮮は、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対して砲弾を含む武器を供与していると米韓両国などから指摘されています。

視察には去年9月に続き、1月もロシアを訪問した朝鮮労働党の軍需工業部長を務めるチョ・チュンリョン氏も同行していて、今回の視察はロシアへのさらなる供与も念頭に置いて行われた可能性があります。

新総司令官シルスキー氏 前線を視察「極めて困難な状況」

ウクライナ軍の新たな総司令官に就任したシルスキー氏はロシア軍が攻撃が強めている東部アウディーイウカなどの前線を視察し、「極めて困難な状況になっている」と指摘した上で徹底抗戦する構えを示しました。

ウクライナ軍の新たな総司令官に就任したシルスキー氏は14日、ウメロフ国防相とともに東部の激戦地、アウディーイウカとクピヤンシクの前線を視察したとSNSで明らかにしました。

シルスキー総司令官はロシア軍が兵士の損失をかえりみずに人海戦術を仕掛けていて「極めて困難な状況にある」としたうえで防衛の強化に向けた重要な決定を下したとして、徹底抗戦する構えを示しました。

一方、ロイター通信は13日、複数の情報筋の話として、ロシアのプーチン大統領が去年、中東のアラブ諸国などの仲介を通じて停戦を検討する用意がある考えをアメリカ側に伝えたと報じました。この提案は、侵攻するロシア軍が支配するウクライナ東部や南部の地域は返還せず停戦を持ちかける内容だったとしています。

これについてアメリカ側はホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官やCIA=中央情報局のバーンズ長官らが協議したとしていますが、停戦についてはウクライナ抜きでは議論しないとしてアメリカ側は断ったと伝えています。

この報道についてロシア大統領府のペスコフ報道官は14日、「真実ではない」と否定しました。

ロシアはプーチン大統領が今月、アメリカの保守的なテレビ局の元看板キャスターのインタビューに応じて、アメリカに対して軍事支援を即刻停止するよう主張するなど、揺さぶりをかけるような動きもみせています。